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第27話 風呂上がりの定番
「はぁ…いい湯だった」
「ほんとだねー。昼間っから贅沢してる気分」
結局あのあと内風呂やサウナやら温泉を堪能した
おかげで二人揃って身体の芯からポカポカだ
そして、お風呂上がりといえば
「瓶入りのコーヒー牛乳!!」
「うるさ…」
まさか、瓶入りの飲み物まで売っているなんて、テンションあがる!
販売機まで駆け寄って小銭を入れボタンを押すと機械が動きゴトンと音を立ててコーヒー牛乳を取り出し口まで運んできてくれる
「彗ちゃんはどれにする?」
コインを入れながら聞くと隣まで来ていた彗ちゃんがいいのか?と聞いてきたのでちょっと彼氏っぽいことさせてよと言っておいた
調子乗んなって小突かれたけど
「じゃ、これがいい」
「フルーツ牛乳だね。
はい、どうぞ」
ゴトンとまた音を立て届けられる瓶を彗ちゃんに渡す
「ん、ありがと」
「ふふ、どういたしまして。休憩所あるみたいだからちょっと休んで行こっか」
二人並んでベンチに座り一息つく
周りを見ると家族連れや友人同士、それこそカップルもたくさんの人
ネットでも評価の高かったグランピング施設なだけあってここも賑わっている
「…おい」
袖を引っ張られて隣を見るとまた周りばっかり見てると少し拗ねたような彗ちゃんにジト目で見られていた
「あ、ごめんね。よそ見するな、だったよね?」
「べっべつにそんなこと……っ…」
ふいっと顔を背けてフルーツ牛乳を飲み始める
「んへへ。じゃ、オレもいただきまーす」
「「ぷはぁっ!」」
「「………ふはっ」」
二人目を見合わせて吹き出す
「虎狛…ありがとな」
「え、急にどうしたの?」
「なんとなく、言いたかっただけ」
「ふふ、そっか。でもまだまだ始まったばっかりだからこのあとも楽しもうね!」
「言われなくても」
そう言って笑っている彗ちゃんを見て来てよかったなと改めて思う
そのあとは身体の火照りがおさまるまで2人でゆっくりしてから部屋に戻った
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