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不測の事態

「聖母の件はどうするの?」 事後、アレク様の腕の中でくったりと身を預けながら、アレク様の瞳を覗き込む。 返事より先にアレク様が硬くなった。 「あれ?どうして、勃…。」 アレク様の状態を知ると、ついもじもじしてしまう。 「終わったばかりなのに、俺の仔猫ちゃんは悪戯で仕方ない。」 「え、あ、違……っ!」 本気で尋ねただけなのに、すぐに挿入されて突き上げが始まった。 「あ、あぁんっ!あれく…っさまぁ…!」 突き上げに合わせて腰が揺れる。 「麻薬みたい…だなっ…。何度求めても…キリがない…!もっと、もっとだ、リシェ!」 アレク様の速度が凄すぎて、僕は身体を仰け反らせる。 「あ…っひぁ!…れくさま…あっ!狂っちゃうっ!!」 頭の中が真っ白に。 僕の奥がガンガン突き上げられる。 「リシェっ!俺のリシェっ!!」 「あれくさま…っ!ああっ!あああ――!!」 いつしか僕はアレク様の背中を引っ掻いて達した。 意識を落としてた。 アレク様に抱き寄せられていた。 「平気か?」 僕の頬を優しく撫でながら調子を窺ってくれる。 僕が笑顔で頷いたのを見てアレク様が口を開く。 「聖母の事は、俺の予想が正しければ、放っておいて問題無いと思う。」 僕の髪で指遊びしながら答えてくれるけど…何だろう、他に考え事でもあるような感じ。 不安になってじっとアレク様の瞳を覗き込む。 「……。」 何故か生唾を飲み込むアレク様。 でもそれは一瞬で、アレク様が警戒態勢に入った。 「リシェっ!!」 次の瞬間、アレク様が掛け布団を盾に僕を守る。 僕は最優先事項である、僕の部屋の扉の結界を強化した。 例え僕に何かあっても、あの扉だけは絶対に開かせない為に。 アレク様は衣服を身に付けながら闇の連弾を放ち、余裕で侵入者を圧倒する。 僕はアレク様に結界を……掛けるところだった。 ほんの数秒の差。 奇妙な剣を持つ青年。 死角からの攻撃に、慌てて僕はアレク様に結界を放つ。 確かにアレク様自身の結界は発動していた。 扉に力を回してしまったため、僕の結界も全力では無かった。 その剣はアレク様の結界を斬り裂き、アレク様の核を貫いた。 目を見開いた僕が見たのは、サラリと砂のように消え去るアレク様の姿だった。

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