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柚希と涼一の二回目の結婚式 3/3 ※

ホテルに着いてベッドに降ろされた。 すぐにのし掛かってくるけど、僕をじっと見つめる涼一さん。 「柚希。俺の元に帰って来てくれて有難う。」 「僕が帰る所は涼一さんのところだけだからね。」 「でも、これだけは言わせて欲しい。柚希も大事だが、リシェ=シェイネスも蔑ろにしているわけじゃない。」 「うん、わかってる。」 「柚希ごと、リシェ=シェイネスの人生も、俺に取っては大切な想い出だ。五年間俺の傍で成長を見せてくれたこっちのリシェ。」 「うん、涼一さん。記憶が無くても、リシェ=シェイネスとして確かに僕は涼一さんを好きになったでしょ?」 涙腺がすぐ緩んじゃう。 「せめてこっちでくらい、柚希を呼んでやりたいんだ。」 そっか、使い分けてるんじゃなくて、『柚希』を存在させてくれてるんだね。 「僕は……涼一さんみたいな人に愛されて……幸せだね。幸運を使いきっちゃったかな?」 涙が止まらない。 「柚希の幸運が無くなったら、俺がその分幸せにする。」 涼一さんの顔が近付いて、唇同士で食る。 「ん…もう充分僕は幸せだと思ったけど、涼一さんは際限無く僕を幸せにしてくれるね。」 「俺なんか未だに二十四時間、柚希と居るだけで常に幸せが更新され続けてる。」 「嬉しいな。」 クスッと笑うと急にいそいそと、僕は涼一さんに脱がされた。 「いただきます。」 相変わらず器用に涼一さんは、服を脱ぎながら僕の全身を撫で回していく。 「あっ……んっ…。」 もう脱がされるだけで僕は興奮してしまってるのかもしれない。 撫で回す手に合わせて身体が動いて、呼吸が荒くなる。 そんな僕を見て、涼一さんは硬くなった。 「昔言ったとおりに、僕になら何でも興奮してくれてるんだね。」 ちょっと足の親指で涼一さんの昂りをツンツン刺激すると、更に大きくなった。 「エロい悪戯をするようになったじゃないか。悪戯っ子には…お仕置きだ。」 涼一さんは口端を上げて挑戦的に笑むけど、結構先走りの量が垂れてる。 …僕がやった事に興奮してくれてるんだ。 そう思ったら目頭が熱くなった。 「そんな目で誘われたら…もう我慢とか無理だ!」 割りと穏やかに語り合ってたけど、涼一さんが限界になって会話は中断した。 僕の足を大きく開脚させて、先走りの力で一気に根元まで押し入って来た。 「っ…!キツ…っ!」 そうだった…この身体はまだ二回目だった。 入れられてから自分の中の圧迫感に気付かされた。 涼一さんも気付いて動かない。 「痛みも苦しみも…涼一さんが与えてくれる事が…全部、幸せ…っ、だよ。」 苦痛で呼気が乱れるけど、どうにか微笑んで涼一さんに言えた。 「…俺の命もプライドも、何もかも柚希に捧げる。」 「うん、僕の全ても涼一さんの物だよ。」 「柚希……。」 「んっ…!」 深く唇を合わせながら、涼一さんが中を抽挿し始めた。 圧迫感はあったけど、涼一さんへの愛で、いつの間にか中は濡れていた。 いつもより優しく涼一さんが奥を突き上げる。 「あっ…あ、んっ!りょういちさんっ!りょういちさんっ!」 物足りないような気がして、僕はもっと欲しがるように、涼一さんの腰に両足を抱き付かせ腰を振る。 「だいしゅきホールドだと!?」 何か涼一さんの雰囲気が変わった。 「…え?大好き?なに…?」 「いっぱい種付けしてやる、柚希っ!!」 短いスパンで涼一さんは突き上げる。 そりゃそうだよね、僕が足で涼一さんの腰を引かせないようにしてる体勢だし。 「ああっ、すごい…っ!りょういちさんっ、いっちゃうぅ!!」 奥を通路を涼一さんが与える摩擦と突き上げで、圧迫感なんてもう感じてなかった。 「ああ、俺も…出すぞっ…!」 涼一さんのスピードが上がって、僕は頭の中が真っ白になって。 「ああ…あああっ!りょういちさんっ!!」 涼一さんを締め付けると同時に、涼一さんの腰に回した足が自然に閉まって。 いつもより興奮気味に涼一さんは僕の中に白濁を放った。 あれ、いつの間に寝てたんだろう? 僕は涼一さんに腕枕してもらって寝てたみたい。 さすがに涼一さんも寝てるから、起こさないように…。 んー、ちょっとだけ目が覚めちゃったけど、ピクリとでも動いたら涼一さんは起きてしまう。 トイレ行って、ちょっと水が飲みたい。 ほんのちょっとだけ起きてもらうしかないかな。 「涼一さん…。」 凄く小さく小声で言ってみた。 その方が起こしてしまっても覚醒しないかなーって。 んー、珍しく眠りが深い? 「……あ、あなた…。」 ちょっと考えて、呼び方今後変えた方がいいかなとか思ったりしたけど……言ってみて恥ずかしかった…。 それでも起きなかった。 「…涼一……。」 呼び捨てやっぱり慣れないな。 これは無理だね。 「っク……。」 気付けば涼一さんは目覚めてて…笑われた。 「どっから、見て…?」 恥ずかしい! 真っ赤な顔で聞いてしまう。 「柚希が起きた時から全部だな。」 「嘘寝してたの!?」 「俺の事考えて、百面相してあれこれやってるのが可愛くて…。」 また笑われた。 不意に涼一さんが真顔になって僕の頬に触れる。 「呼び捨てでいいんだぞ。」 「うん、もうちょっと時間頂戴。柚希が呼んでた呼び方だから……変えると柚希でいられなくなるんじゃないかって、未だに迷ってるんだ。」 「そうだな。柚希だけが呼んでくれた呼び方だな。失うわけにいかないな。」 「うん、少しずつね。あっちで口調を変えたように、柚希である事を消すんじゃなくて、頑張って統一してみる。」 「今のままでもコスプレ的な感覚で楽しめてるしな。」 「コスプレと一緒になっちゃうんだ。」 二人で思わず笑ってしまってから、しっかり抱き合った。 「余計にイチャイチャ度アップしたねぇ。」 え、目に見えてわかるものなのかな? 帰ってすぐ、リシェールから話を聞いたであろう陽太さんが、すぐにそう言った。 「どうしてわかるの?」 首を傾げてしまう。 「いやぁ、わかるかも何も、取り敢えずその恋人繋ぎの手で一目瞭然だしねぇ。」 言われて気付いた。 無意識に、手繋いでた。 気付いたけど放すわけじゃないんだけどね。 「場所を選ばず俺達は常にイチャイチャ出来ると言うわけだ。今に始まったことじゃないが。」 「夫婦と言えど時と場所は選べっ!小さい兄弟の目もあるだろうがっ!」 僕を膝に乗せながらアレク様が言うと、リシェールが申し立てる。 今は僕達が日本から帰って来て、アレク様の方の玉座に座っている。 僕達の帰りに子供達が出迎えてくれて集まってる。 中でも一番小さい子は八歳だから、確かに教育上良くないかな? 「父と母がいつまでも仲がいいことは褒められる事だぞ。」 うん、確かに。 「過剰なスキンシップを見せるなと言ってる!」 過剰だと良くないかな…うーん、僕の意思が決まらない。 「父上、母上。こういうのはどうでしょう?」 何故か悪戯っぽく言うエイリシュが、兄弟達を引き連れて、僕やアレク様にキスする。 さすがのアレク様もリシェールも驚いたように固まってる。 勿論僕も。 「家族全員仲良しなんです!」 エイリシュが満足気に言った。 ふと、視界に入った陽太さんだけがニヤニヤしていた。 「…陽太、お前が子供達に吹き込んだな。」 「あったりー!」 僕はおかしくて吹き出してしまう。 そんな僕につられるように、アレク様も表情を和らげた。 うん、みんなで幸せに、こうやって楽しく過ごせたらいいな。 僕は心から、この場に居る愛しい家族達(と陽太さん)に心から感謝した。

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