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聖母の消滅 3/3

side:ファル 「麗華か。」 「お前…美月!」 姫野麗華。 リシェ達(多分アレク君の独断)からあたしに送られた転生者。 日本に居た頃何かしらあたしに張り合って来たのよね。 全く、誰かと思ったら…。 「ずるいわ!何であんた、そんな若い姿なの!?」 「麗華だって日本に居た時よりは若いじゃない。」 最後に麗華の存在を確認出来たのっていつだっけ? つーか忙しすぎてこいつのこと意識してなかったからなー。 「私は整形よ!これでも目一杯やったのに…っ!あんたはまだあたしより上を行く!いつもそう!」 ま、いっか。 あたしがこいつとわざわざ会ったのは、こんな遣り取りするためじゃないしね。 「麗華…あんた、あたしの大切な弟達を、辛い目に合わせたわね?」 「ああ、そうよ。あんたを苦しませるのに手っ取り早いでしょう?傷付けてやったわ!」 勝ち誇る麗華。 そんなことのためにリシェ達を! 怒った私は逆に微笑みを浮かべてしまう。 「あたしね、昔のよしみで少しだけあんたに慈悲を与えてあげようかと思ってたの。」 「何よ慈悲って?」 「あたしはこの世界では、記憶を操作出来るのよ。」 怪訝そうな顔をする麗華。 リシェ達を傷付けたこいつは絶対に赦さない! 「…ふーん、麗華あんた、得意の整形を馬鹿にされてるのね。」 「なっ、何でそんなこと!?」 「あんたの記憶を読んだの。うん、決めた。」 あたしの心は簡単に決まった。 「あんたのことを、整形を馬鹿にする人々…あんたが聞こえてない振りをして耐えてきたその記憶。聞いてない振りが出来ないように、記憶に植え付けてあげるっ!そして日本で暮らしなさい!」 聞こえない振りをしていても本当は記憶に残ってる。 それをしっかりと、何度でも聞こえるように、麗華の記憶に植え付けてやった。 「いやあああっ!!煩い、煩いっ!!整形の何がいけないのっ!?こんなに努力してるのに、何で何も手に入らないのっ!?」 「バイバーイ、麗華。日本は生きにくいね。」 麗華が姿を消すと、ちょっとだけ嫌な気分になった。 一人で居ると泣いてしまいそうだから、ラディの所にあたしは向かった。

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