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第31話『ヒートの処置』★

部屋の外で救急車のサイレンが鳴り響いている。窓を開けていたので、かなり大きな音だった。音が去ってから、レイが言った。 「二日分の薬しか飲んでないなら、たぶん、ひどくなる。今のうちに鎮めたほうがいい」 サキの心臓がバクバクと鳴り始めた。これはヒートのせいだけではなかった。 「い、いや、いいよ……」 それはレイに抱かれるということだ。サキは顔の前で手を振ったが、 「部屋で待ってて」 レイはサキの意向など聞かず、自室に戻った。抑制剤を打ちに行ったのだろう。 サキは疼く下半身と上がってくる体温を感じながら、のろりと部屋に行った。入口のドアに手を当てて、考える。このまま鍵を掛けてしまえばいい。   レイだって望まない性行為だろう。迷惑はかけたくない。部屋にこもってしまったほうがいいに決まっている。 そう思うのに、ドアを半開きにしたまま、ぽすん、とベッドに腰を落とした。火照った身体をサキはぎゅっと抱きしめた。   待たされることもなく、部屋に入ってきたレイは無表情で言った。 「ベッドに上がって」 その言い方がなんとも冷たく感じ、サキは下唇を噛んで、仰向けに寝た。 レイがサキの服をめくる。胸から腹にかけてひと撫でされ、身体がびくっとした。 「あッ……」 軽く触られただけで感じてしまい、下着が濡れた。恥ずかしくて、顔をそらす。 レイから醸し出されるアルファの匂いを濃く感じ、サキの身体は一気に過熱した。レイに昂った下半身を握られると、サキはそれだけで絶頂に達した。 「あう……」 サキは涙目になった。一度出したというのに、身体はどんどん熱くなる。下半身がうずき、甘く鈍った頭は、アルファが欲しい、と言っていた。 サキの後孔が濡れていくのがわかる。レイはそこに指を入れ、ひと掻きした。 「やッ……あっ……」 サキはまたしても軽く果てる。レイは抑制剤を打っているというのに、彼の匂いはサキの発情をひどくした。 (早く挿れてくれ……!) 恨めし気にレイを見ると、レイは自らの昂ぶりを後孔に当てた。サキは息を吸った。 次の瞬間、ぐっと力強く押し込まれる。 「あッ!」 レイの熱を感じたとき、サキの身体は悦びに震えた。

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