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第6話

 あんなことがあっては、当然とも言えるが仕事に集中できるはずがない。  結局ぼうっと夢魔のことを考えて、ケアレスミスをして上司から叱られた。  今日ばっかりは全てが俺のせいって訳じゃないのに!  ……とは言えるはずもなく、その場を収めるためにひたすら低姿勢で謝って終わる。  俺が人付き合い上手くないからって、もうそろそろ俺に当たるのもよしてくれないかな、クソ上司め。  はーマジ弊社ブラック。  そんなところにしか内定貰えなかったし、必死に他の企業や業種を探さず、まあ適当に生きる為の賃金が貰えるならいっかなんて、将来も何にも考えない俺も頑張りが足りなかったのかもしれないけどさ。  そう思ったら、やっぱり帰りの最寄り駅に着いた辺りで悶々としてきてしまった。  昨夜、夢魔に搾り取られたばかりなのに……それともなにか精力増進の魔法でもかけられた?  ……いや、俺が人より性欲があるってだけか。彼もそう言ってたしな。  今日は何で抜こうかな。飯よりも何よりも自慰のことで頭をいっぱいにするが……。  こぢんまりとした1Kの独身部屋に、その巨体は当然のように存在していた。 「なっ……なんで居るんですか!?」 「おお、帰ったか。琢朗」 「いやいやいや……えっ? やっぱり夢じゃなかった!?」 「だから最初からそうだと言っているだろうが……俺様は普段は見えないが、今は実体化してやっているのだ。そう、一刻も早くオナニーがしたいなんとも可哀想な若者の為にな」 「うっ……」  全部ばれてる。 「と、とりあえず飯……食ってもいいですか。一応仕事で疲れてるし……」 「構わぬ」  手洗いうがいを済ませ、いったんスーツから部屋着に着替えて、買ってきたコンビニ弁当をテーブルに置く。  夢魔はまあ、人間と同じように食べる必要はないんだろうな。

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