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第9話

「早くしろ。風呂場でするか?」 「い、いえっ! ちゃんとシャワー浴びますから……そこでちょっと待っててください……」  メアさんが見張っている以上は、長く思考もできなくて、俺は渋々蛇口を捻った。  でも、どっちみち俺このままメアさんと、またあんな情事に耽るのか……前は混乱していたけど、今回は意識もはっきりしてる。  温かいシャワーを浴び始めてから全身を洗い終えるまで、胸の高鳴りを抑え切れなかった。 ◆  いくら何でも全身びしょ濡れ状態で部屋を歩き回るのは気が引ける。あと単純に寒いし。  「エロいことをする」って以外何をするのか詳しく説明もされていないし、また行為が終わった途端に睡魔がやって来るかもしれないから、歯も磨きたい。  そう言ってメアさんに必要なものを渡して貰ってから、女の子とする訳でもないのに入念に口内を清潔に、そして身体を拭いてメアさんの元へ。 「準備万端か?」 「準備って……してもしなくてもするんでしょ……」  複雑な思いの俺とは真逆に、精液搾取目当てのメアさんは一人ウッキウキだろうな。  自分の部屋だというのにひとまずタオルを腰に巻いた姿で風呂場から出たが、メアさんに見られているかと考えるとなんかめちゃくちゃ恥ずかしい。  まるで初彼氏とのラブホの中、これから処女喪失する女の子の気分だ……いや、メアさんによるとこっちが挿入する側らしいけど。  うん、例え俺が女の子だったとしても、メアさんのあの巨根に抱かれるなんて想像したらそれだけは絶対無理。  挿入らない。失神する。  と、早速ベッドへ押し倒された俺は、奇しくもまた昨日と同じようにメアさんにのしかかられる格好になった。 「ちょっ……メアさん! 苦しいって……こ、こんな真似しなくても逃げませんってば」 「そうとも限るまい。貴様は肝心な時になるとすぐ弱気になるのだからな」  俺をガッチリとホールドしてくる太ももは、腰くらいはあるほど大きい。  逃げたくてもとてもじゃないが逃げられっこない。

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