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第13話
一昨日もオナニー含めて片手分は抜いたのに、俺だけ快感の魔法をかけられて、勝手に気持ち良くされて。
たぶん両手では足りない……二十回くらいは射精したと思うが、正確な数は記憶にない。
最後はほとんど水みたいな液体となって、それもメアさんが尻だけでなくご丁寧に舐めしゃぶり尽くして搾り取っていて、気絶寸前に寝たのは覚えてる。
もう本当に、金玉すっからんかんの気分だ。
やっぱ悪魔って夜行性なんだろうか。
翌朝も目覚めたらメアさんの姿はなくて、代わりに情事の証拠としてシーツが精液まみれで、足腰立たなくて意識もしばらく朦朧としていて、仕事休みたすぎて何度ため息を吐いたかわからない。
なんとか出勤しても、俺があまりに体調悪そうにしていたからか、普段は厳しい上司が叱って来なかった……というより、俺が病んだのかと思ったらしい。
そうすれば、上司のハラスメント問題に飛び火しかねない。
まあ、それはそれで大事になっても俺も嫌だからな。
◆
帰宅すると、案の定実体化したメアさんは自分の家のようにくつろいでいた。
勝手に上がり込んで……というか前々から居たらしいけど、それにしても部屋の中のものを興味深そうに見たり、触ったりしている。
なんてーか……意思の疎通ができる以上は、幽霊とかよりは怖くないからいいけど、図々しい夢魔だな、ほんとに。
「ただいま……メアさん何してるんですか」
「おお、琢朗。現代の知識を俺様なりに吸収しようと思ってな……」
そう言って首を傾げるメアさんの背後は、掃除したばかりなのにあれこれ散乱していた。
漫画を含む本に、アニメや映画のDVD、ゲーム、神棚のように神格化しているフィギュア棚さえ荒らされている。
果ては俺の愛用のオナニーグッズまで。
実家の母ちゃんでもここまでプライバシーのないことはやらないぞ。
「ちょっと! 恥ずかしいものまでさらさないでくださいよ!」
「すぐ見つかるような場所に隠してあった貴様が悪い」
「見られたくないから隠してるんでしょうが! って、そうじゃなくて、こんなに散らかして……どうせ掃除は全部俺がやるんでしょ……はぁ」
性に奔放な俺様悪魔は実にあっけらかんと、むしろ何が悪いのかわからないというような顔をしていて、怒る気すら失せてくる。
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