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第16話

 俺はメアさんだけのもので、メアさんも俺だけのもの。  ……それって、立派な恋心……そう言っても過言ではない、よな。  メアさんはそれ以上の感情らしいから、もはや刺し違えそうなくらいの執着を俺に持ってるんだろうけど。  まあ……いいか、それでも。  人並み以下の地味な俺の人生は、こんなに愛してくれる存在、人だろうが人外だろうがきっともう二度と現れない。  いや。いやいやいや……待て。  ちょっといい雰囲気で忘れそうになっていたけど。 「は! 掃除の途中! ……メアさん?」  今度は俺がギロリと睨んでみせると、メアさんはやっぱり簡単に俺を片手で突き飛ばして、ベッドに戻ってしまう。 「……メアさん、交換条件、出しません?」 「……な、なんだ、いったい」 「メアさんが俺の部屋汚したこと、今日のところは水に流します。だから今度は俺がしてほしいことしてください。あ、もちろんメアさんのことも責めるつもりです。一緒にスケベな夜を過ごしましょうよ……ね?」 「っ……俺様が? 琢朗に? むむ……」  受け身はあまり好きじゃないのか、メアさんは唸り出す。  しかし、エロエロ行為ができるのはお互いの利害に一致しているのではないか。  メアさんは少し考え込んだ末、「よし、わかった」と承諾してくれた。 「して、俺様は何をすればいい?」 「えっと……授乳手コキってのをしてほしいんですけど……」 「…………は?」 「さっき読んでたエロ漫画にもあったやつ。俺がメアさんのおっぱい吸うんで、メアさんは俺のチンポ扱いてください」 「そんなことがよいのか」 「……多少はアブノーマルな行為でも良いですよね? メアさんだって、俺の性癖知ってるでしょ」 「それはまあ、そうだが……」  そうと決まれば掃除なんて後々。  シャワーを浴びている間、メアさんにはさっきのお気に入りエロ漫画を読み込んで俺のしてほしいことを熟知してもらうことにした。  現代の知識はあまりないにせよ、これがどの時代であれ、絵なら少しはわかりやすいというものだろう。

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