ただ、メアさんからしたら俺は、数百年待ったもう二度と現れないかもしれない逸材で。 　猛烈なアタックという名の逆レイプを仕掛けられて、でも……何故だか悪い気持ちはしなかった。 　性行為ができれば誰でも良いって訳じゃなくて、メアさんだから、俺も受け入れることができた。 「んッ……ぐ、くくぅ……あがッ……はぁ……はあぁっ……」 　やはりとことん受け手には回ったことはないようで、あのメアさんが、眉をひそめて低音で喘ぐ。 　深いディープキスで唇を離したタイミングや、メアさんを抱き締めて激しい抽送をするたび、メアさんの歯の間から吐息が漏れる。 　メアさんもぎゅーっと俺を恋人みたいに抱いて、背を撫でたり、脚をクロスして物理的に逃れられないようにしてくる。 「はっ……琢朗ッ…………も、もう、無理そう、だっ」 「んっ……！？　もしかしてメアさん、イッちゃう！？」 　メアさんが歯の根を食いしばって首を縦に振る。 　しかしそれにしては、前みたいに余裕ある感じじゃない。 　あくまで俺の性搾取を最優先事項としていたメアさんは、自分が快楽を得ることは二の次だった。 　だから夢魔だろうが何だろうが、男として込み上げる感覚に焦っている様子のメアさんがとても新鮮だ。 「いよっし……じゃあ、俺も……またイキますからね……！　同時にイキましょ、メアさん！」 　腰の動きを速くしながら、メアさんの我慢汁ダラダラの先端を手のひらで擦る。 　メアさんは激しすぎたのか、今までに聴いたことのない、あくまで「雄」の、しかし甘美な声で鳴いた。 「くっ……イクッ……！　メアさんが孕むまでたっぷり中出ししてやる……！　イクイクイクッ！！」 「ひぎぃっ！！　激し、すぎるッ……こんなのは……知ら、ないぃぃ……！　お゛っほおおおおお゛っ！！　琢朗とのセックスで……ザーメン中出しイグゥ〜〜〜〜ッ！！」 　俺は散々射精しているけど、メアさんが吐精しているのを見るのは初めてだった。 　それも、人間の量のそれとは異なり、シャワーのように飛び出て俺の身体はもろに浴びてしまった。 　何百年分とは言わずとも、インキュバスのせいか、自分で前を慰めることはしないらしく……メアさんの射精量は正に牛のようだった。 　バケツなどの容器に入れたら飲めるレベル。 　……当然、シーツはまたも駄目になってしまったし、部屋中が雄臭いけど。 　そんなことよりも、メアさんがちゃんと俺で感じて、イッてくれたのが感無量だった。 　だから、もうこの際己の言葉通り「朝まで」メアさんと愉しんだのであった。