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 羅羽須と会話しながら丘の上までやってきた。ここまで青極花以外は見つからなかった。あまりに似ていたら見落としている可能性もあるが、そうではないことを願いたい。  丘の上まで登ってきて、瀬那は絶句する。そこから見える景色は地平線の先まで全部が青極花の絨毯だったのだ。一体どのくらいの時間があればこのすべてを確認することができるのか。本当に本当に、気が遠くなる作業だった。  しかし泣き言を言わずに、瀬那たちは隊列を組んで根気よく探し続ける。しかし何度夕刻を見てもみしらぬ花は見つけられなかった。  丘の上の、少し広場になっている場所に六花を移動させ、瀬那と羅羽須は休憩を取っていた。双子はもう少し探すと言って二人で走っていった。元気だな、と瀬那は二人の背中を見送る。 「魂だけの僕は、やっぱりここの住人と違ってすぐ疲れちゃいますね。探す場所はまだまだたくさんなのに、休憩しちゃって申し訳ないです」 「私はこの世界の人間だが、双子に探させてこうして休憩しているぞ」  羅羽須が瀬那の隣にあぐらを掻いて座り、のんびりした口調で笑う。そう言われてしまえば瀬那はなにも言えなくなる。 「気にするな。しらみつぶしに探せば絶対に見つかる。私も見たことがないみしらぬ花を見てみたい。それはあの双子も同じだろう。だからあんなに楽しそうにしているんじゃないか?」 「みんな前向きで、すごいですね。僕にはどうしてもそういう気持ちになれなくて。みんなに申し訳ないとか、もし見落としてたらどうしようとか、このまま見つからなかったら……って考えてしまって」 「後ろ向きに考えて楽しいことはなにもない。今のこの時間をどう楽しむか考えた方がいいんじゃないか? 命が脅かされる危険がないのだから……いい、じゃ、ない……かっ」  瀬那の隣で話していた羅羽須の声の様子がおかしい。どうしたのかと彼を見やると、右手で痣の場所を押さえている。 「羅羽須さん? もしかして痣が……痛むんですか?」  瀬那は心配になって俯いた顔を覗き込む。苦痛に歪んだ表情で笑みを浮かべようとしているのが見えて瀬那は焦った。 「だい、大丈夫……だ。気にするな……うっ!」  羅羽須の額には吹き出したような汗の玉ができている。体は前屈みになりそのまま地面に蹲った。

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