21 / 156

グール 7

 ただガキにはうっかり説明してなかったけど、僕達捕食者とセックスした者は、ソイツも化け物になるんだよね。  なのでガキも化け物になっちゃったわけ。 この辺は事後説明になったのはちょっと悪いと思ってる。    捕食者達はほとんどが、理性を失いただ人間を殺すことだけを行う。  食欲も性欲もなくして。  何故か寝ることだけは止めない。  眠たい、というのとはちょっと違うけれど。  そしてまれに性欲を残す捕食者がいて、その捕食者とセックスした者はセックス後24時間以内に「従属者」と呼ばれる化け物になる。  不死身になるのだ。    従属者は捕食者のように「能力」を持っているわけではない。  捕食者は不死身である、人間を殺すのを楽しむ、以外ではその「能力」もそれぞれで共通点はないが、「従属者」は違う。  従属者は不死身なだけの人間だ。  捕食者が灰になろうと、肉片になろうと死なないのに対し、従属者は首を切り落とされたなら死ぬ。  捕食者は・・・従属者に執着する。  それ程例があるわけではないけれど、捕食者は従属者を求め続ける。  少なくとも僕が殺した従属者を持つ捕食者達はそうだった。  「狂犬」「金髪」「刀の女」「詐欺師」 僕が殺した捕食者達。  そして、僕も。  ガキを決して手放さないだろう。  これが、捕食者の性質なのか、そんなことはわからない。     元々僕は自分が捕食者だってことも、そんなに気にしてないしね。 とにかく、僕はガキにハマってる。  またガキの中でたっぷり放ちながら、僕は吠えるように叫ぶ。    「   !!」  それはこんな時位しか呼んでやらないガキの名前だった。  ガキの背中がしなり、ガキの身体が震える。  ガキは僕が名前を呼ぶ意味を知っているから。    「愛し・・・てる!!」  ガキが叫んだから、僕はたまらなくなって、ガキに覆いかぶさり、ガキの首筋に歯を立てた。  血の匂いに僕はまた滾る。  流れる血を舐め、また噛んだ。    「ああっ・・・」  苦痛に喘ぎながらガキはまた前を勃てていくんだろう。  中が蠢き、ガキが感じていることを教えてくれる。  後で、後で、優しく抱いてやるから。  優しく、蕩けて、自我さえ残らないように。  だから、だから、今だけは。  床に崩れ落ちたガキの腰を掴み、僕はまた激しく動き始めた。  「  !!」  ガキの名前を叫ぶ。  決して言えない言葉の代わりに。  僕は。  僕は。  コイツを。  そこから先は言えないことだ。  僕は夢中になってガキを犯し続けた。  そう、僕は「穴」として手に入れたコイツを「恋人」にした。  まあ、そこに行くまではコイツにそうさせられた、と言ってもいいんだが・・・。  どうにもこうにも、コイツか可愛くて。    らしくもなく僕はコイツにハマってる。  コイツに。   コイツに。  コイツだけが。  もっと奥に。    もっと深く。  そこに解け合いたい。  えぐり、壊し、入り込んで、僕を流し込み、もっともっと僕だけにしたい。  食らいたい。  欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい。  僕は吠える。    ガキを貪りながら吠える。  たまらなく気持ちよくって、どんどん飢える。    「あうっ・・・・くはっ・・・」  ガキの苦しそうな喘ぎにますます狂う。  優しくしたい想いはどこかへ消え去る。  僕はガキの甘い肉を貪る。    どんなに貪っても満腹になどならないのに。  それでも僕はガキを貪り続けた。            

ともだちにシェアしよう!