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取引 6

 「首まで赤い」 アイツが言う。  撫でられて身体は痙攣した。  腰が揺れる。  ヤバい。  アイツの身体にこの固くなったヤツを押し付けこすりつけたい衝動を殺す。  「・・・・・・大丈夫。大丈夫だから!!」  オレは悲鳴をあげた。  そう、悲鳴。  悲鳴なのだ。    このまま射精しかねない。  オレは身体をひきはがした。  アイツはポカンとした顔でオレをみつめる。  「明日、ここを出るから、明日早いから、もう少し寝ておいて」   オレは早口で言った。   もう我慢は限界だった。  この人の身体に自分のモノをこすりつけてオナニーしてしまう前にここから出るしかなかった。  腕が指が心地よくては、ずっといたくても。  「うん」  素直にアイツは頷いた。     「頼みがある」  オレはそれでもそれだけは言わなければならなかった。  「何?」   微笑みながらオレを見る。     憐れみでも、欲望でも、恐怖でも、軽蔑でもない眼差し。   「オレ以外と【オマジナイ】はしないでくれ」  オレ以外とキスしないで。  言わなければこの調子でグズにすることは目に見えて分かっていた。   もし、グズがそんなことしたら、オレはどう殺せばいいのかわからないがグズを殺さないといけない。  「・・・誰とも?」  きょとんとした様子でこの人は言う。    「誰とも!!」  オレは叫ぶ。  「ママもダメ?」  こまったように言われた。    「・・・それはいい!!」  ちょっと悩んでからオレは言った。  母親のことがあるからコイツはオレについてきた。   それにどうせ母親はもうすぐ死ぬ。  そんな人間なら、殺す必要はない。  「わかった」  素直にこの人は頷いた。    ホッとしたその瞬間、この人の腕が伸びてきた。  そしてまた引き寄せられ、また唇に唇を重ねられた。  暖かい唇。  柔らかな感触。    オレは危うくその唇を割って舌を絡ませそうになった。  唇は離れ、このは笑った  「君とするのはいいんだね?」  その言葉にオレはどう答えればいいのかわからなかった。  言葉は全部消えてしまって、必死で何度も何度も頷いていた。    それしかできなかった。  オレとだけ。  して。  そして、また身体を震える腕で引き離した。  「・・・・・・起こして、ごめん・・・おやすみ!!」  オレは慌てて立ち上がり、部屋を飛び出した。  限界だった。  風呂へ走る。  おそらく呑気に風呂に入っているグズをバイブ代わりに使うために。  勃起しているの、気付かれただろうか。 分かったところで、本当には分かってないから大丈夫だろう。 アイツはセックスが何なのかも本当には分かってないのだ。  オレのソコはもうこれ以上もないくらい勃起して、濡れているのがわかった。  後ろの穴はひくつき欲しがっていた。  奥が疼く。  こんな風になったことなかった。  性欲だけではない何か。    でもオレはしたくなかった。  なかったんだ。  アイツとだけは。  でも、グズのを舐めて咥えて勃てて、突っ込んで、奥を濡らさない限り、この身体の飢えは収まりそうになかった。       汚い。  汚い。     オレは汚い。     オレはあの綺麗なあの人にどうしようもなく欲情してる。  でもしたくない。  あの人とは。  オレは浴室に飛び込んだ。  そして、鼻歌を歌いながら髪を洗っていたグズを、泡だらけのまま床に押し倒した。  「うぉっ?!」  グズは変な声を立てて頭を床に打ち付けたが、どうせ、オレ達は痛みを感じない。  のしかかり乱暴にグズの性器を唇で扱く。  いきなり咥えて、吸いながらしごいた。  欲しくて欲しくて、たまらなかった。  「・・・また欲情したんだ」  グズが呆れたように、でも、喘ぎながら言った。  「うるせぇ!!」   オレは怒鳴り、口の中におさまりきらないそれを夢中で育てる。。  必死でしゃぶるオレの髪をグズが掴んでくる。  その指が震えてる。  感じてるのだ。  「あっ・・・無理・・・ああっ」  そう言いながらもう、腰が揺れてる。  しっかり育っているし。  オレは先を丹念に舐めて吸ってやった。            「出るから!!出るから!!」  グズが泣き叫ぶ。  「出したら酷いからな」  オレは根元をきつく握りしめる。  快楽ではなく、苦痛の声をグズがあげる。    「あの人、させて・・・くれると思うよ。きっと」     グズが悶えながら言う。  うるせぇ、そう思った。  させてくれるさ。  何にも知らないから。  呆気ないくらい簡単だろ。  でも、なんでかわかんねーけどそれじゃ嫌なんだ。  「黙ってお前は勃ててりゃいいんだ」  オレは怒鳴った。  最初にグズを押し倒したのは、この家に来て、寝る前のあの人を風呂に入れてやった後だった。  自分で身体を洗ったことのないあの人に風呂の使い方を教えたのだ。   グズに洗わさせればいいのは分かっていたけど、アイツの裸を誰にも見せたくなかった。  まあ、今まで好きなだけ見られてきたんだけどな。    オレ達は自分で風呂にはいれなかったから。  裸を見て、肌に触れてしまって・・・いや、出来るだけ見ないように触らないようにしたけど。    無邪気にあの人がオレが触れてしまった指に「くすぐったい」と笑う。  その笑い声と笑顔だけで、股間が熱くなった。  それでもこらえて。  あの人の髪を乾かしてやり、ベッドに追いやってすぐ、人を殺して喰って以来、それからずっとグズグズ泣いてるグズを襲った。  その日オレは大忙しだった。  全く何にも出来ない二人を連れて、オレは車を奪い運転していた奴を脅してここまできた。  その後に運転手も殺して喰った。  そして、今度は管理人夫婦を襲い監禁し、この家を自由に使えるようにしたのだから。    グズはその間ずっと泣いてるだけで何の役にも立たなかった。  これからはちょっとは役に立ってもらわなきゃな。  そう思ったのは覚えている。  クズを無理やり裸に剥いて咥えて跨がり、少し咥えただけで出したそれで中を濡らした。    そして、満足するまでグズを使った。  最初は泣いていたグズが最後は夢中で自分が出した精液だらけの穴まで舐めていたのは前に言ったとおりだ。  コイツは清らかな童貞から、ド変態にジョブチェンジしたわけだ。  でも、オレが一番笑える。  今日、散々したばかりなのに、またオレはグズを使っている。  「・・・ややこしいな、あんた」  グズがため息をついた。   オレは口からグズのを引き出した。  グズのしっかり勃ちあがったそこが先は唾液じゃないモノかが零れてきてて、オレは欲しくて喘ぐ。  これを中に挿れて、中をぬらしたい。    「うるせぇ」  オレは小さく言った。  ややこしい?  そんなの自分が一番分かってる。  「可愛い」    グズが笑った。  「ふざけんな童貞」  オレはグズの勃ちあがったそこを自分から入れるために、グズに跨がるべく、膝立ちになった。  なのに勝手にグズが起き上がった。      挿れたいのに。  なにしてんだ。  グズはオレをそっと床に押し倒した。  オレはグズを睨みつけた。    「おれが動くよ」  グズが、優しく頬を撫でながら言った。  その指はアイツの指を思い出してオレは喘いだ。  「下手クソのくせに・・・」  オレは睨む。   「目を瞑って。あの人だと思えばいい。それなら上手いも下手も関係ないんだろ?」  グズは優しく言った。    オレはその言葉に震えた。  アイツに抱かれる妄想すらしなかったから。    「目を閉じて」  グズの声は優しい。  オレは目を閉じた。  その前に一つだけ命令する。  「口にキスはするな」    グズが笑った。  「キスしてもらったんだ?」  「うるせぇ」  オレはつぶやいた。  「目を閉じて。あの人だと思って」  グズが耳もとで優しく囁く。  そこからは一切声はしなかった。    優しい唇が喉に落ちていく。  アイツの唇。  アイツの。  オレは声をあげた。  唇が肌に焼き尽くかと思った。  舌が肌を舐める、ただそれだけのことに身体が痙攣した。  胸を吸われて悶え、その頭を離したくないと抱きしめた。      アイツを思ってするセックスは、脳が溶けてしまうかと思う位良かった。            

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