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恋 1

 俺は公園を歩いていた。  せっかく会いに来た、あの人の言うところの【パジャマ】、のお母さんは意識が混濁していて、話が出来なかった。  脳に腫瘍が出来ていて、意識不明になることが多るらしい。  むしろ目覚めている時間の方が少ないのだとか。  でも、この病院にパジャマが来ることは間違いないので、張り込むことになった。  俺とあの人は病院の側にあるホテルにしばらく缶詰めだ。  捕食者達が来たら捕らえる。   なら病室で待っている方がいいのでは?と思ったのだけど。    「僕とお前はパジャマが来るまではこの部屋に近づかない方がいい」  そうあの人が判断したからだ。    下手に俺やあの人がいたらパジャマ達が近付かなくなるからだろうか?  でも、めちゃくちゃ警察が部屋の入り口とかいるし。  これなら俺達が部屋にいるのと変わらな気と思うけど。  それにパジャマの最終目的が母親に会うことなら、何がなんでも部屋にやってくるはずだろ?  でも、俺にはよくわからないから、あの人に従うだけだ。  そして、俺は、だ。  ちかくのドラッグストアでセックス用のローションを買いにやらされたのだ。    手に持つ袋の中身は・・・・・・ローションだ。  ちなみに珍しくコンドームも買っている。  暇つぶしにあの人は俺とする気満々だ。  あの人はいつも、絶対コンドームをしてくれないのだが、今回はしてる最中に捕食者が来るかもしれないので、俺に中出し禁止なのだ。  あの人も渋々ながら納得してくれた。  基本、俺が陽動で動き、あの人が忍び寄るのが俺達のスタイルなので、俺も精液垂れ流しながらでは戦えないからだ。    てかやめて。  やだ。  というわけで、自分が使って欲しいモノは自分で買ってこいとのことで俺は自分に使って欲しいローション・・・・だってあの人濡らさないでつっこんだりするし・・・なんかも買いに行っているのだ。  自分で準備した方が安全なので。  あの人、出血したりしても気にしてくれないし。  治るけど。すぐ治るけど。    俺不死身だし。  「血が出た方が滑りがいい」  とか言うし。     あの人は部屋で俺を待っている。    ちょっとため息をつく。  いや、いいんだけど。         いつもみたいにトイレとか車の中とかでいきなりされるより、部屋の中なのはうれしいし。  あの人としたいし。  てか、抱きたい。  一度抱いたことがあるから余計に辛い。  暖かいあの人の中に入りたい。  てか、せめて触らしてくれないかな。  いつもなら週に一度の趣味の殺人の後、酷く抱かれた後は俺に触らせてはくれるのに。   今回はあの人が寝ちゃったから触らせて貰ってない。  あの人に触りたい。  俺の腕の中に閉じ込めたい。  優しく優しく触るから。  他の誰もそんな風にはあんたに触れないように。  優しく優しくして、あんたを溶かしてしまいたい。    ・・・・・・土下座して頼もう。   させてくれなくてもいいから、せめてちょっと触らせて欲しい、と。  ・・・もう少し許されるなら舐めたい。  俺はそんなことを真剣に考えていた。  まあ、出来なかったとしても、寝ているあの人を抱きしめるだけでも、俺は幸せだったりするのだ。    ドラッグストアの袋をぶら下げながら俺はあの人の待つホテルへ向かっていたのだ。  この公園を抜ければホテルだ。  公園には嫌な思い出がある。  そう、こんな白昼に、あの人に人前で犯されたという・・・。  いや、もうそんなことしなくなったけど。  あの人が、あの、人に頭を下げるくらいなら殺す、あの人が謝ってくれたしね。  でも、公園のベンチを見ると・・・。      思い出しちゃう。  俺は声を上げて乱れてしまったのだ。  人前で。  「あ、ドラッグストア!!」  突然、そう叫んで店の名前の付いた書いた袋を指さされた。  さすがに買ってるモノが買ってるモノだけにギクリとする。  なんせラブローションとコンドームだ。  しかもどちらも大量だったりする。  買う時だって、めちゃくちゃ恥ずかしかったりするんだよ。  半透明のドラッグストアの袋から、買ったモノがわからないように店員の配慮で僕の買ったブツは紙袋にいれてくれてるけど。    俺の袋を指差して叫んだのは、俺とそんなに年は変わらない青年だった。  180はこえてる俺と変わらない長身の。  青年は袋を指差しながらちかづいてきた。  中身が中身だから、なんか怖い。  何なんだ。  「悪い、このドラッグストアどこにあるのか教えて欲しい」  困ったようにきかれて俺はホっとした。  ああ、ドラッグストアを探しているのか。  でも、なんで?  「ここの店さ、セックスの時に使うローションとか、コンドームとか売ってる?」  袋を指差しされたまま、無遠慮に聞かれて、まさにズバリで、俺は思わず真っ赤になった。  どうして。  どうして。  どうして知ってるんた。  「ん?」  俺の顔の赤さと、袋の中の紙袋をソイツは何度も見比べた。  「もしかしたらこれ?」  空気を読まないソイツは言った。  恐ろしいことにソイツは止める間もなく袋に手を入れて、紙袋を開封した。  ローションとコンドームが露わになる。  俺は言葉をなくす。

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