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恋 6
優しくして欲しかった。
下半身をガキにすりつけてしまう。
でも声が。
聴かせてたまるか。
僕は両手で口を塞ぐ。
親指で乳首を弾かれる。
身体を震わせ、もう勃っている性器から零れるのがわかる。
漏れた声を手で殺す。
声を出さない為に身体を強ばらせたから首を齧ってたガキが気付く。
「声・・・嫌なの?」
優しく言われた。
そう言いながらその唇を乳首に落としていく。
何度か乳首にキスされ、舌で柔らかに大切そうに舐められた。
僕は喉をそらし声を抑えた手の中で殺す。
ガキの口の中で僕の乳首が尖り、溶ける。
舌で溶かされ、歯で尖らされ、吸われる度に甘さに身悶える。
指で撫でられ甘さがはじけ、決して痛くはならないギリギリに摘ままればしがみつきたくなるような感覚の存在に気付く。
僕のソコが立ち上がり、ガキか乳首を弄るたびに震え、零している。
僕なら「乳首だけでトロトロだね」とか「気持ちいいんでしょ、ド淫乱」とか言ってガキを追い詰めて楽しむけど、ガキはそんなことはしない。
僕が嫌がることは絶対しない。
僕が声を出さないように両手で口を押さえてても、それを無理やり声を出させようなんてしない。
僕なら声を絶対出すように追い詰めるけど。
唇を噛み両手で口を抑える僕を、ガキは優しい目で見るだけだ。
「なんで嫌なの?」
それは聞かれた。
不思議そうに。
でも言えない。
絶対に言えない。
盗聴のことを知ったら・・・今まで全ての部屋以外でのセックスを聴かれていたこと知ったなら・・・・・・。
お前めちゃくちゃ怒るだろ!!
今さら言えないし、絶対に僕の喘ぎ声など聴かせてなるものか。
ただ首を横に振るだけだ。
「唇噛まないで・・・」
ガキは心配そうにそう言ったままだった。
そしてまた、胸を弄り始める。
無理に追い詰めようとしないからこそ、心地良くて。
でももどかしくて。
僕は手の中に声を零しながら、ガキの身体に破裂寸前の性器をこすりつける。
淫らに腰を振り、イキたいイキたいと願う。
でも、甘く愛して。
優しくして。
吸われて、溶ける。
噛まれて、浮上する。
舐められて酩酊する。
摘ままれて、覚醒する。
僕は胸だけでイった。
喉の奥で声を殺し、身体をそらし、僕は射精していた。
見開いた目から涙が零れる。
「ふうっ・・・ふうっ・・・」
出てしまう声を必死で殺す。
肩を震わし懸命に堪える。
そんな僕をガキが飢えるような目でみてる。
獣のようなその飢えた目に、僕の後ろの穴が疼いた。
ガキのを突っ込まれ、貫かれ、擦られることを僕の身体は知っている。
もうそれを知っている中が蠢くのが自分でも分かった。
それでも、そんなになってもガキは優しい。
「舐めさせて」
低く唸るように言った。
コイツが舐めたいのはどこかわかっていた。
そんなことを許してはいけない。
止まらなくなるからだ。
欲しくなるからだ。
ダメだ。
いつもみたいにそう言えばいい。
せめて盗聴されていない自分の家じゃないと。
でも言えなかった。
優しくされたかった。
この僕が。
僕は傷ついていた。
ガキが他の誰かに笑うから。
僕がいなくても楽しそうだから。
ガキをこの手で斬ったから。
ガキの肉を切り裂く感触に吹き出す血に、それでも僕は傷ついていた。
痛くて痛くて堪らない。
こんなに苦しいならガキをころしてしまいたいのに、失うことにも耐えられない。
傷ついている。
苦しい。
癒やして欲しい。
お前のせいでついた傷はお前でなければ癒せない。
大体お前がいなければ傷付くことさえなかった。
優しくしてほしい。
お前だけには。
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