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恋 11

 生意気な。  そう言おうとしたが、そう言う前にグズが動きはじめた。  でも、コレは良かった。  口の中に広がる肉の味もよかった。  オレは食いちぎり食べた。  男の身体が痛みのためにはねた。  それがダイレクトに伝わりオレに刺激を与える。  「ふうっ・・・ああっ、いい!!」  オレは叫んだ。  動きは複雑さがさらに加わった。  肉を食いちぎられた男が苦痛のため悶えたり、オレの中に射精したりしたからだ。  グズはゆっくりオレを揺すり、射精した男のモノは複雑な動きをしながら、それでもまた硬さを取り戻していく。  「もっと突け!!」  オレは叫んだ。    男の胸の肉を齧り取りながら。   グズの突き上げが凶暴に変わった。  オレは血まみれのまま絶叫した。  壊れる寸前の快楽。  男の腕を噛み千切った。  ああ、刀なんてなくても、オレ達は人の腕を千切れる。  美味くて、気持ち良かった。  食欲と性欲と、支配欲と、加虐の快楽、すべてを満たされていた。  男の見開かれた目。  喉の奥から零れる声、吹き出す暖かな血。  グズの激しい突き上げ、男のモノがまた弾ける感触。    最高だった。  最高に気持ち良かった。 オレは笑った。       笑いながら、絶頂に達したのと、身体の下で男が絶命したのと、グズがオレの中に迸らせたのは同時だった。         「喰いおわったら、残りはゴミ袋に入れて掃除しておけよ」   オレはグズに言った。  グズは水の無い浴槽の中で男の脚を齧っていた。  頭や内臓はオレ達は食べない。基本的に肉の部分だけだ。  骨も食べないしな。  後でアイツを洗ってやらないといけないので、掃除するようにグズに言っておく。  オレは浴槽の外で血や精液を洗い流している。    「うん」  グズは頷く。  男の性器をちぎっておもしろそうに振り回しているが、食べるつもりはないようだ。  オレもこれは食べたくない。  咥えたりはしたけど。  グズは再び脚を齧りはじめた。   あっという間に腹におさまっていく。  「足りなかったら言え。また街に捕まえにいくから」  オレは手をのばし、グズの髪を撫でた。    セックスが良かったのでオレは機嫌がいい。  「足りる。・・・でも、後でおれと二人だけでして」  グズがオレを見つめて言った。  その目が真剣だったから、少しオレは困る。    「あの人の代わりでいいから」  グズの目の中の痛みに戸惑う。  こういうのは。  こういうのは。  想定外だ。  子供にセックスを教えることの弊害だ。  12のガキだ。  いくら図体がでかくてもグズの中身は。  19才なのは年齢だけだ。  性欲も恋心も区別はつかないだろう。    「・・・・・・わかった」  オレはグズの頭をポンポン叩いてそう言った。  仲間をつくろう。  仲間が殖えれば、グズも他に目がいく。  今アイツがセックスするのはオレだけだからおかしくなってる。  仲間を作って、この世界を壊して回る。   それまでは。  グズにはたまには優しくしてやろう。  オレはオレなりにグズが可愛いのだ。       

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