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追跡 5

 「それで、どうすんの。おれ達素人は」  グズは車にあったウェットティッシュやタオルでオレの身体を拭きながら言った。  グズはこういうところ本当に甲斐甲斐しい。  大切な恋人みたいにオレを扱う。    「・・・オレ達は学ばないとな」  オレはグズの髪を撫でた。  この車の持ち主夫婦を食って得た知識もそれなりにある。  これから先、役に立つかどうかはわからないが、今のオレは看護師だった妻の医療知識もあるし、IT企業で働いていた旦那の知識もある。    ソイツのもっていた知識が全部が全部が手に入るじゃない。  でも、喰う度に知識は増えていく。    オレは今注射器を使って採血できるし、簡単なハッキングもできる。  それは出来の悪いコピーであっても、確かに知識や技術だ。  「別の種類のプロを喰う。そして、もっと強くなっていく。オレ達はたくさん喰って強くなるんだ」  オレは言った。    追ってくる奴らの劣化コピーではだめだ。  オリジナルに劣化コピーはかなわない。  別な種類の知識や力が必要だ。  だからどんな奴らを喰えばいいのかはわかっていた。    そして、もう一つ。  「仲間を増やそう」  オレは言った。  

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