96 / 157
友達 3
「嫌だ」
グズが泣きながら言う。
「嫌だじゃねえ。ヤるんだよ」
オレはグズの顎を掴んで顔を覗き込みながら言った。
「シたくてシたくて可哀想になってんじゃねぇか。お前がシてやらないでどうすんだ。オレは挿れる方はしないんだよ」
オレはソイツの方へ顎をしゃくった。
綺麗な青年だ。
オレより少し下ぐらいか。
もう服を脱いでいて、床の上で尻の穴に指を挿れながら自分のものを必死で扱いている。
クチャクチャ
濡れた水音をたてて、ピンクの粘膜めくりあげる指がいやらしい。
ガチガチに勃起し、濡れた性器は、また白濁を吐き出すが全くおさまる様子はない。
「あ・・・ああっ」
もっと欲しくて青年は悶える。
グズに向かって縋るような視線を向けている。
正しくはグズの股間に、だ。
その白い身体は血にまみれている。
自分と入れ替わった男を食い終わったとこだからだ。
食い残した頭部だけが部屋の隅に転がっている。
貧相な男だが、その肉と血は甘かっただろう。
可哀想な変化したばかりのグールは人肉を喰らい終わって、一息ついて落ち着いた後にやってきた強い欲求に身体を悶えさせていた。
オレ達はセックスがしたくなる。
無性に。
喰う以外ではずっとしていたいくらいだ。
もともと淫乱なオレでもこんな焼け付くような欲求を感じたのは初めてだった。
オレ達はセックスをしないではいられない。
性的な好みは人間だった頃のままなので、この床で尻を振りながらオナニーしている青年も、挿れられんのが大好きだったわけだ。
欲しくて欲しくて仕方ないはずだ。
食欲を満たし、安全な環境だとわかれば、したくなるのはセックス以外ない。
「んっ・・・イクっ」
どびゅっ
また青年は前から迸しらせる。
でも、その指は終わろうとはしないで、また性器や穴を弄りつづける。
床の上で身体がのたうつ。
この青年はオレが選んだ。
身体の自由がきかない人間だけにあの人の能力は作用する。
オレはだから作った。
オレ達の仲間に相応しいヤツを生まれ出させるために、あえて身体が不自由なヤツを作り出した。
別にオレみたいに手足を切断する必要はない。
手足を動けなくする方法なんて、いくらでもある。
もちろん承諾はとった。
組長の中にあった知識から人選をした。
頭のオカシイ、この世界を恨んでいるイカレたヤツだ。
おまけに凄まじい淫乱で変態。
人の事は言えないが、ぶっ壊れてる。
そこが気に入った。
コイツは殺したり、脅したりが仕事だが、
組長はコイツを近い内に処分するつもりだったようだ。
イカレすぎてるから。
だが、オレが貰った。
組長にも話は通してる。
お話をして「不死身にならないか」とリクルートしたら頭のオカシイやつらしく、喜んでオレのところにご就職だ。
つまりオレ達の新しいお仲間ってわけだ。
グズにはコイツを犯してもらわなければいけない。
ド変態を満足させてもらわないとな。
なのにグズは泣いて嫌がる。
綺麗な男だぞ。
中身はイカレてるが外見は相当だぞ。
組長も喜んで使ってた位だ。
コイツをなかなか始末出来なかった理由はこの身体だろう。
見るからにいやらしい身体だ。
「あんた以外は嫌だ」
グズが泣き声をあげた。
「はぁ?」
オレは呆れた。
コイツは。
全く。
オレはため息をついた。
青年を選んだ理由の一つがコレだ。
オレ以外のグズの相手。
グズにはいい加減目を覚ましてもらわないと。
セックスなんて、誰とやっても同じなんだ。
力づくで無理やり従わせられるのは最悪なことこの上ないが、そうでないならただ気持ち良いだけのことだ。
セックスはセックス。
変な幻想など持つべきじゃない。
「アイツに突っ込まないんだったらお前とは二度とシてやらないぞ」
オレは言った。
本気だった。
グズのデカくて長いチンポは大好きだが、それ以上にオレはグズが可愛くなっていた。
こんなつまらないことに縛られる必要はない。
せっかく不死身になったのだ。
せっかく人間から解放されたのだ。
人間のつまらない価値観で生きていて欲しくなかった。
グズが黙った。
オレと出来ないのはそんなに辛いか?
この辺はやはり可愛くなってしまうが。
「グズ・・・オレらはもう人間じゃねーんだよ。人間みたいにツマンナイ考えはすんな。それは一見綺麗に見えるけどな、ヘドがでるほど汚いんだ。綺麗に恋して、綺麗に生きてるってのは見たくないモノに目瞑ってるだけのこと。人間なんてそこで誰かが殺されてたって本気で止めようなんて本当には思わねーんだ。止めるふりくらいはしてもな。自分さえ無事ならそれでいい。世の中に生きてるお綺麗な人間なんてみんなそうだ」
グズに受け入れやすいように説明してやる。
オレ達は殺して喰って、セックスする。
それ以上は何もない。
それでいいじゃないか。
殺して、壊して、セックスをする。
それでいいじゃないか。
「嫌、だ。あんたがいい。好きなんだ」
分からず屋のグズが泣き叫ぶ。
オレはため息をついてグズのデカい身体を抱きしめる。
グズは震えて泣いていた。
まだ、ガキなのだ。
「じゃあ、そこの男に突っ込んで中でたっぷり出してから同じことを思えるか証明してみろよ。オレは口先なんか信じない。ソイツとヤって・・・オレとヤろう」
オレはグズの首筋を舐めながら言った。
言いながら興奮してきた。
他の男とシた後のグズとする。
・・・・・・いい。
興奮する。
オレは堅くなってきた股間をグズの股間にこすりつけた。
嫌がる割にはグズのはもうガチガチだった。
「しよーぜ、他のに挿れたのをオレにぶちこんでくれよ」
オレは喘ぐように言った。
ゆっくりと擦り付ける。
ズボンごしにかんじるグズのがデカくて、オレも欲しくなる。
グズか小さく呻いた。
多分軽くイっている
でも、顔は苦しそうで少しばかり胸が痛んだ。
だがこんなバカらしい勘違い、させておくわけにはいかないんだ。
「オレの目の前でソイツを抱けよ。沢山イかせてやれ」
オレはグズの股間を指で服の上からなで上げてやった。
「嫌、だ」
グズが蒼白になりながら呻く。
堪えてるのがわかる。
気持ちいいくせに。
したいくせに。
「オレが好きなら、それを証明しろよ。ソイツを抱いた後でもそう言えるかさ」
オレは布ごしに激しく指をつかった。
グズの首筋を舐めながらいやらしく。
グズが震えた。
オレは笑った。
ズボンの中でイったのだ。
「好きなんだ。好きなんだ・・・」
グズがしゃくりあげる。
「それを証明しろよ、さぁ」
オレは優しく言ってグズの背中を押した。
グズは殺される前の猫みたいな目をしてオレをふりかえった。
許して。
助けて。
その目はそう言っていた。
でもオレはゆるさない
「抱くんだよ」
オレは宣告した。
ともだちにシェアしよう!