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夢から始まる 4
僕の夢の中なのに、何故コイツを思い通りに出来ないのか。
刻んで、指の一本一本切り落としてやるのに。
僕は歯噛みする。
「夢を忘れてしまう君よりも、夢をコントロールするのはボクの方が上手だからだよ」
パジャマは笑った。
僕の手をすりぬけながら。
パジャマは僕を抱き寄せた。
パジャマは僕に触れられるのだ。
「夢の中ならボクには色んなことが可能だよ。現実の世界ではボクは君を抱けないかもしれない。興味はないんだ。でも、夢ならどんなことでもしてあげられる」
パジャマの手が僕の背中を撫でた。
それだけの動きに僕は震えた。
それは、ガキの撫で方だったから。
突き離そうとしても、その手はすり抜け、しかもあろうことか、パジャマはガキの姿をしていた。
「夢なら何でも叶えられる。目覚めたら忘れてしまうんだから、任せてしまえばいい。これは僕じゃないんだし。ここは君の夢の中で、ボクである部分はどこにもないんだから。君の中にないものを君の中には持ち込めない」
パジャマの声は変わっていく。
聞き慣れたガキの声に。
ガキの声が耳元でした。
「あんたが抱きたい」
優しい痛切な声。
いつもなら鼻で笑うのに、何故か腰が砕けた。
崩れた身体を抱き寄せられた。
「触らせて」
ガキが苦しげに言う。
触って欲しい。
そうは言えない。
「・・・触るね」
ガキが優しく言った。
僕が言えないから。
あくまでも僕が触らせてやっているスタンスをガキは優しいから守ってくれる。
ガキの手がシャツをめくりあげ、素肌に触れ、もう片方の手がズボンの中に潜り込んでいくのを僕は、唇を噛み締めて耐える。
熱い指に触れられる場所全てが燃え始める。
触って。
もっと触って。
性器よりも先にその穴に触れられたくてたまらない。
ガキはそうしてくれた。
焦らしたりしないで、熱い指がそこに性急に触れる。
ガキの指が潜り込んでくれるのを身体を震わせて待つ。
「あっ・・・」
声が零れる。
沈む指に穴が絡みついてしまうのがわかる。
欲しがっていたのだ。
ガキの長い指が沈み込む感触を僕は楽しんだ。
腰さえ揺らして。
これは夢だ。
これは夢だ。
夢だからいい。
いいんだ。
ガキが激しくそこをかき混ぜてくれるのを声をあげて喜んだ。
ガキにしがみつき背中に爪を立てた。
腰をふり、自分からその指を味わった。
広げて、こすって、かきまわして欲しかった。
ガキが嬉しそうに笑った気がした。
挿れてほしくて、腰を突き出してしまった。
でもガキは気づかないフリをしてくれる。
ズボンが下げられた。
濡れて熱いモノが穴を舐め、潜り込んでくる。
舌だ。
ガキの。
嬉しすぎて腰を揺らす。
たまらなく気持ちよい。
濡らして挿れてくれるのだ。
そこで気付く、これはガキじゃない・・・。
身体を強ばらせた僕の目の前に、パジャマの顔があった。
僕の目の前に膝を抱えて座ってた。
え、じゃあ、今穴を愛しげに舐め濡らし、背中にキスしているガキは?
「君の中にないモノをボクは作り出せないよ。これはあくまでも君の願望」
パジャマは優しく僕の頬を撫でて言った。
ガキは優しく僕の背中にキスしたら、熱く硬く、濡れたチンポをボクの穴にこすりつけてきた。
欲しくて欲しくて僕は呻く。
喉がなる。
僕は飢えていた。
「夢の中くらい思い通りにしたら?」
パジャマは優しく言った。
夢。
これは夢ならいいのかも。
ガキが言う。
「愛してる」
その言葉に僕の勃起したままのそのからまたトロリとこぼれる。
ゆっくりとめり込んでくるそれを僕はたまらない気持ちで受け入れて、受け入れようと、ああら広げて擦って、突いて・・・!!
ガキが欲しかった。
欲しくてたまらなかった。
「嫌だ!!」
でも、僕は叫んだ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
欲しいけど嫌だ!!
こんなのは嫌だ!!
入りかけていた熱さも硬さも大きさも、霧散した。
優しいガキの手も、広い胸も、熱い唇も舌も消えた。
「違う!!」
僕は叫ぶ。
失ったモノに向かって叫ぶ。
ガキが嫌なわけがない。
嫌なわけがないんだ。
むしろ。
むしろ。
その言葉は絶対に言えない。
僕はガキの名前を叫んだ。
叫び続けた。
泣きながら。
「・・・スゴイよね。君は本当に欲望に負けないよね」
感心したようにパジャマは言った。
「君は本当に本能や欲望よりも・・・意志や愛のが大事なんだ。夢の中さえ、許さない。君ほど理性的な人はいないよね。君は夢の中では彼を最後まで抱かないし、あの子に最後まてさせない。どちらもしたくてたまらないのに。これは夢の中でしかないのに」
パジャマは頷きながら云う。
僕か理性的?
ガキに言ってみろ。
キレられるぞ。
レイプより酷いことしてきたのに。
「君は夢でさえ自分に言い訳を許さない。素敵だ」
パジャマは僕の涙を指でぬぐいながら言った。
「【本当でない】そういう言い訳さえ与えられたならどれたけの人間が欲望に従うか。なのに君だけは違う」
だから、ボクは。
パジャマはいう
「君を救いにきたんだ」
パジャマが僕をだきしめるのを僕は何故か拒めなかった。
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