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破滅の音6
「ああっ・・・」
綺麗だけど、強面でならしている男が僕の指に乱れるのってちょっと楽しい。
穴の中を指で擦ってやれば、個室にあるソファの上で四つん這いになった男が声をあげて、尻をふる。
その尻にまで入った彫り物。
とてもこんな風に男に抱かれているとは思えないような男。
普段は暴力で周囲を支配しているような男。
悪い魅力で女を酷く泣かせているような男。
それが、今は僕の指を欲しがって、尻を掲げて穴をひくつかせている。
面白い。
僕はこういう男がもともと好みなのだ。
ガキみたいに素直で可愛いのは本来ならあまり手を出さない。
ガキは色んな意味で例外で特別だ。
「もっと声、聞かせてくれるよね?」
僕は前も扱いてやりながら言った。
「ああっ・・・いいっ・・・ああっ、気持ち・・・いいっ」
望み通り声をきかせてくれる。
ビクンビクンと震える身体が楽しい。
よだれまで流して、喉をヒィヒィ鳴らしてる。
ちょっとだけ、奥まで突っ込みたいと思ったけど、我慢。
浮気はしません。
僕には恋人がいるんですから。
コレは楽しんでないよ、仕事だから、仕事。
ね?
真珠までいれてボコボコにしている性器をねっとりと指で扱いてやれば、身体を震わせ硬直させる。
いつもは女を泣かせてるだろうに。
組長の気持ちはわかる。
こんな風にはならないはずの男を抱くのって・・・。
これは楽しい。
もっとも組長は本当は嫌がる男を権力で脅して抱いてたんだろうけど。
嫌でたまらないのを無理やりに。
それはそれで楽しそうだけどね。
男はイキそうになる。
でもイカせてあげない。
根本をきつく締め上げる。
「イカせて・・・、イカせてくれ・・・」
男は泣き声をあげる。
いい感じだ。
そろそろ何でも話してくれるはずだ。
指を唇に入れたなら、必死でフェラでもするかのようにしゃぶってきた。
ああ、そう。
おしゃぶりも仕込まれてるの。
させたくなるのをぐっと堪える。
さてさて、組長と寝てたなら、普通の構成員では分からないことも知っているはずだ。
僕は微笑んだ。
組長がグール達を抱え込んでいるのはわかってた。
僕は周辺を探っていた。
だけど、組の連中はグールを恐れているのか何も言おうとしなかった。
だけど、この数日、確認できる限り組長の姿はどこにも見えない。
何かあったという情報はないけれど、組長が無事であるという情報すらでてこない。
何の情報もないのは有り得ない。
ウソさえ出てこないのはかなりヤバい。
何かが動いているのだ。
拷問は週に一度の趣味の殺人以外ではガキに禁じられているし、仕事と趣味は分けたいからコイツを
趣味に使うわけにもいかない。
となると、痛み以外で人が口を開くのは快楽だけだ。
「お願い・・・イカせてくれ・・・」
男が子供のように泣きじゃくる。
「いいよ?・・・じゃあ教えてくれる?」
僕は男の背中の彫り物にキスを落としながら言った。
そのたびに、もう欲望に熟れきった身体は震える。
中でイキたくてたまらないのだ。
優しくするのは大切だ。
口を開きやすくなる。
「・・・・・・」
男は顔を歪めた。
恐怖に。
でも・・・唇は開く。
人間は死んでもいい位、快楽が大好きなのだ。
快楽のために人生を棒にふるほどに。
僕のために破滅するがいい。
僕は微笑んだ。
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