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破滅の音8

 オレは口の中に甘い肉を頬ばる。  滴る血の甘さは脳が痺れるほどで、噛みきる肉の感触はぶち込まれ、擦られる時と同じ位、快感だ。  肉をしゃぶり、飲み下すのもセックスに似てる。  もっとも、今、オレを背後から貫いているのはグズで、オレは口の中で食べるという欲求を、後ろの穴でセックスという欲求を叶えている。  「・・・グズ、もっとぉっ・・・」  オレがねだれば、グズはさらに激しく深くオレを何度も何度も貫いてくる。  甘い杭に脳まで貫かれる。  口の中の肉を飲み下しながら、オレはさらに貫かれたいと腰を振った。  「いくらでもする・・・あんたになら・・・」   グズが低く呟き、腰をさらに激しくぶつけた。  オレは肉にかぶりつきながらくぐもった声を上げた。  「最高っ!!」  オレは楽しくてたまらなかった。  残念なのは食べているこの肉が一体分しかないから、分けると少ししかないことだ。  わざわざ、街を出てまで狩りに行ったのだ。  見事な身体をしていたこの男はちょっと有名な始末屋だった。  肉体一つを武器にするような。  実際強かった。  今ではそれなりの技術を【喰う】ことで身につけ、脳さえやられなければ死ぬことのないオレ達でさえ、手を焼いた。 数人がかりだったのに。 銃を持っていたくらいでは普通倒せないオレ達を、そいつは圧倒しさえしたのだ。  防弾ヘルメット。  これを被ってなければ死んでいた仲間がいたはずだ。  結局、グズがソイツを殺した。  グズは戦闘に才能をしめしている。  確かにオレとグズは一番沢山の人間を喰っている。  だから確かに技術や知識を持っているのは間違いないんだが、それでもグズはオレよりも戦うことに才能を発揮している。  その理由もわかっている。  「グズ・・・もっとくれ、もっと欲しいんだ・・・」  オレは強請る。    オレの中でグズがさらに大きくなる。  「いつだって・・・おれは・・・」  グズが俺の背後で顔をクシャクシャにするのが、見えないのにわかった。  可愛いグズ。    本当に可愛い。      お前はオレが望みをこんなにもすべて叶えてくれるんだな。    だから優しいのに戦闘も得意になってくれたし、オレが欲しがればオレの好きなようにセックスしてくれる。     そう、ひさびさのグズと二人きりのセックスはグズへのご褒美だった。    「中ぐちゃぐちゃにしながら・・・胸弄って・・・」  オレは甘えた。  グズは耐えるようにオレの肩を咬みながら、熟れきった中をそのオレのお気に入りのデカいチンポで擦りたて、かきまわす。  そして、指でオレの乳首をいじる。    痛い位に摘ままれ、そして優しく撫でられる。  その緩急がたまらない。  痛くして、優しくして。    ああ、気持ちいい  「何でもする。何でもするからっ!!」  グズが泣く。  ああ、お前は何でもしてくれる。      それにオレは満足してる。  「この件が片付いたら・・・また頼む」  オレはグズにお願いした。  グズには頼んでいることがある    グズは顔を歪めただろう。  泣いている。  「そんな、の・・・そんな、の、酷い・・・」  グズが泣きながら腰をぶつけるのがたまらなかった。  「グズ・・・グズ・・・可愛い」  オレは心から言った。  オレの願いを叶えてくれるのはお前だ。   今、オレはとても喜んでいる。  生まれて初めて望みってものを持った。  とてもとても嬉しい。  さあ、計画通りに行くかな?  まあ、とにかく、最初は沢山殺せたらいい。          

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