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V.S 1

 船を操るのはグズだ。  のんびり腕だか脚だかを片手で持って齧っている。 パンでもかじるみたいに。  もちろん船の操縦知識は喰った誰かのモノだ。  船の上にはオレ達以外は死体しかない。   むせかえるような血の匂いに酔いしれる。  操縦室に置かれた無線が何か叫んでいるがどうでもいい。  オレもその辺に落ちてた腕を喰う。     肉の甘さは快楽だ。  人を喰うようになって、喰うと言うことはセックス以上の快楽になった。  セックスより喰う方がいい。  でも、まあ、セックスもするけどな。  脳を痺れさせる味を楽しみ、骨まで噛み砕く。  喰う度に喰ったヤツが中に入ってくる、いや入れているのか?  めいっぱい入って来てめいっぱい入れる。  もっともっと、とそれを求めて、中身をかきまわす。  人間を喰うのは最高の快楽だ。  セックスでは繋がったヤツと最後は離れるが、喰うことは一体になることなのだから。  オレ達は喰った本人そのものにはなれない。  本人には劣る。  知識も一部だったりする。  たがオレ達はいろんな人間の知識や能力を加え続けている。  結果、それらは補い合い、オリジナル達以上の性能となる。  オレ達は喰えば喰うほど強くなる。  この川を渡し船で渡るにはそれ程の距離はない。  ほんの数分の距離なのだ。  それでも、橋がない以上、奴らはこれでくるしかなかった。  もしくは、泳いでくるか。  泳げない距離ではない。   武装を担いで・・・だとしても。  次はそれもあり得るな。  グズのそばに行ったら抱き寄せられた。  尻にズボンの上から硬くなったものをこすりつけられる。  ・・・こんな時に、とは思わない。  喰ったらしたくなるのはオレも同じだからだ。  「岸についてからなら・・・一回だけだぞ」  オレはオレのズボンを引きずりおろし、穴に指を入れてくるグズに言った。  「うん」  グズは息を荒げながら言った。  一応操縦はしている。  穴は柔らかい。  暇さえあればしているからだ。  オレ達は眠る代わりにセックスをする。  「気持ちい・・・い、グズ・・・いい」  オレはグズにもたれながら喘ぐ。  指を締め付け味わう。  もっと擦って欲しかった。  「岸についてから、だろ」  グズが生意気に焦らす。  噛まれる項の気持ち良さに、もう立ち上がっている先から零してしまう。  「いい、グズ・・・最高・・・」  オレはグズのシャツをめくり上げ、グズの乳首を舐めながら言う。  グズが呼気を漏らす。  「中、めちゃくちゃに突いてやる・・・」    震える腕で舵をとりグズが呻いた。  グズも早く挿れたくて仕方ないのだ。  「・・・して、グズ。いいっ!!・・・それ好き!!アアッ!!」   オレはグズが中の馴染んだそこを指で、オレの好きなように弄るのを楽しんだ。  あの膨らみを緩急をつけて、こするグズの指は甘くて、気持ち良くて、物足りなくなる。  でかいのをぶちこんで。  そう思ってしまう。  ぶちこんで、突いて、出して欲しかった。  指に自分からそこをこすりつけ、締め付け、オレはその感覚を声を上げて味わった。  項を噛むグズの歯が甘い痛みをくれた。    無線はオレ達の声を届けているだろう。  仲間が殺して、その現場で楽しむオレ達を。  それは考えるだけでも愉快で、オレはさらに大きな声をあげた。  

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