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#2 君だけに見せる僕

「ミコト君だって、かわいい子だね」  ミコトのいた部屋のドアを名残惜しそうに見つめながら、シオンはふふっと微笑む。  「随分とお気に召しているようですね」  ヤナギは影のようにシオンの後ろについて歩く。しばらくコツコツと2人の足音だけが、広い廊下に響き渡っていた。 「もっと話していたかったなぁ」  シオンは歩く足を止めると、振り返りヤナギの肩に腕を回す。身長差があるので、少し背伸びをするような体制でヤナギを抱き寄せた。 「……まだ、公務が残っておりますよ」 「やだなぁ分かっているよ」  シオンは「後でだね」と、ヤナギの耳元で囁く。 「……はい」 ・・・ 「はぁー、やっと終わった」  積み上げられた書類を満足そうに撫でるシオン。 「お疲れ様です。紅茶を淹れて参りました」 「ありがとう」  カタ。と机に置かれるティーカップを持ち上げ、優雅な仕草で飲む。 「ふぅ……」  無造作にかき上げられた髪の間から見える、僅かに濡れた唇。ヤナギの喉が「くっ」と小さく鳴った。 「なぁに? 欲情してんの?」  甘えるような声で「こっち来て」と呼ぶシオンに、ヤナギが手を伸ばす。  手首を掴まれ、そのまま軽くキス。 「上質な紅茶の香りがしますね」 「そんなに気に入ったのなら、もっと飲ませてあげるよ」  シオンは紅茶を口に含むと、またキスをする。 「うっ……く……」  ゴクリと大きな音を立てて、シオンからヤナギへ紅茶を飲まされる。  滴った雫が、ポトリと机の上に落ちた。 「っ……いけませんね。大事な書類が汚れてしまう」 「場所を移そうか」  シオンの見つめる先には、ベッドルームへ続くドアがあった。  ベッドに腰掛けるシオンを、ゆっくりと押し倒すようにヤナギが覆い被さる。  そしてキス……クチュクチュと音を立てながら、その感触を楽しむようにヤナギの舌がシオンの口内を犯す。 「んっ……あ……すごい、とけちゃう」  ほんのり赤く染まるシオンの頰に、キスを落とす。 「この短時間で、よくあの量の公務を終えましたね。ご褒美、欲しいんでしょう」  ヤナギの青い瞳が、僅かに光った。 「そうでしょヤナギ、僕は頑張ったよ。もっとちょうだい!ヤナギは全部、僕のもの、だからっ……!」  ヤナギの唇が耳から首筋、乳首を通ってさらに下へと移動していく。  いつの間にかシオンの服の前がはだけていき、白い肌がより一層際立つ。 「ヤナギっ……触ってっ」 「シオン様、もうこんなに勃たせて」  ヤナギの長い指がつーっとシオンのそれに触れると、ぴくんぴくんと身体がはねる。 「あっ、はっ、ヤナギっ」  下から上へ、そっと這わせられる唇が、亀頭を包み込む。 「んっはぁ……やっぱりヤナギは上手だね」  ヤナギの動きに合わせて、「あっ、あっ……」とシオンの声が漏れた。 「はぁ……ヤナギ、こっちも、ね……良いでしょ?」  ヤナギはベッドサイドに置かれた小瓶を取ると、中の潤滑剤をとろとろとかける。  粘度を持った液体は、シオンの先から穴の方へ滴る。  指がゆっくりと中へと進み、少し曲げられると、「グチュ」といやらしい音を立てた。 「あっ──!!」  その瞬間、シオンのそれがピクピクと痙攣し、そのまま白い液が放たれる。 「もう……ひどいよヤナギ。いきなり気持ちいとこピンポイントで触るから……」  ムッとした表情のシオンに、ヤナギは優しくキスを落とす。 「すみません……止めますか?」 「止めない。ヤナギがイクまで止めないから」  シオンはヤナギのズボンを足の指で引っ掛けておろそうとする。 「仕方ありませんね……」  片手でシオンの中をクチュクチュとほぐしながら、もう片方の手で器用にズボンを下ろす。 「挿れます、よ……!」 「んっ……ああっ……!」  奥まで飲み込んだシオンの穴は、ヤナギのそれをきゅうっと締め付けてくる。 「すごいよ……ヤナギ、すっごい硬い」  シオンの反応を確かめるように、ヤナギはゆっくりと腰を動かす。 「気持ちいよ……ヤナギの気持ちい」 「はぁっ……それは光栄です。シオン様っ」  ヤナギの息も徐々に荒くなっていく、いつもの真面目な表情は崩れ、余裕のない顔に汗が滴る。  動きは激しくなっていく。シオンの声と、ヤナギの荒い息が部屋に響く。 「あっ、いいっ! はっ……あぁ」 シオンの潤む瞳と目が合う。ヤナギがシオンを起こし抱き寄せると、どちらからともなくキスをした。 「もういきそうです……シオン様」 「僕も……我慢できない、あっ、はぁっ……」  ──っ!!  びゅっと出た2人の白い液が、シオンのお腹の上で混じって、シーツに垂れた。  シオンの隣に倒れ込むヤナギ、2人並んで肩で大きく息をする。 「……はぁっ、ヤナギは、いつも中には出してくれないよね」 「………」  息を正しながら黙るヤナギに、そっと手を回す。 「良いよ別に、頼んでいるわけじゃないし」 「シオン様……お体を拭かないと……」 「いーよもう少し、このままで」  まだ少し明るかった外も、すっかり暗くなっている。  暗い部屋の中で、しばらく2人の息の音だけがしていた。

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