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#4 ご主人様は不機嫌

 パンパンパンと、激しく肌のぶつかる音。 「いいっ……あぁっ! ご主人様ぁ!」  カノキの泣き叫ぶような喘ぎ声は、外まで聞こえそうなほど大きくなっていく……。  ──遡ること数十分前、カノキはシオンの執務室へ向かっていた。 「とりあえず、ご主人様にミコトに聞いたことを話して、天使様へのお目通りをお願いしないとな」 衛兵に手を挙げて下がらせると、城の中でも一際豪華で大きな扉をコンコンと叩く。 「ご主人様! カノキです!」 「どうぞ」  重い扉を開けると、シオンが1人で書き物をしていた。 「あれ……ご主人様、1人ですか?」 「えぇ……どうしましたか、カノキ。ミコトの見張りは?」  いつもより声がイラついているように見える。仕事が忙しすぎるからか? それとも── 「ミコトは、簡単に逃げられるような人ではありませんでしたよ。俺がいない間の衛兵は増やしましたし、少し脅しておいたので心配ないかと」 「そうか」  シオンがおもむろに、コロコロとペンを転がす。 「あっ……」  机から落ちそうになったペンをキャッチしようと、カノキが動く。 「ちょっ……ご主人様?!」  その腕を掴まれ、グイッと引き寄せられた。乱暴に口付けされ、息ができない、苦しい──! 「ぷはっ、いきなり何するんですか、ご主人様っ!」 「カノキ、こっちへ」  シオンが向かうのは、執務室からドア一枚で行けるベッドルーム(という名のヤリ部屋)。 「ちょっ、ご主人様ぁ! 話が……」 「話が、何?」  カノキは普段は相当な力があるが、シオン王子の前では出すことができない。簡単にベッドの上に組み敷かれ、服を剥かれる。 「我慢出来ないから、自分でほぐして」  無造作に小瓶の潤滑剤を、カノキの股間に撒いた。 「ちょっ! 分かったから……ご主人様っ!」  カノキがおとなしく自分の指を自身の穴に入れたのを見て、シオンはカノキの頭に馬乗りになる。 「舐めて」 「はぁっ……んんっ」  強引に口に入れられたシオンのそれを、一生懸命に舐めるカノキ。歯を立てないようにするのに必死だ。  しばらく舐める音と、カノキの穴のクチュクチュと鳴る音が部屋に響いた。 「くっ……はぁ、いいよ、カノキ、上手」 「んっ……はっ……」  シオンはたまらなくカノキの頭を抱いて、腰を動かす。 「あっ……ううっ……」  涙目になりながら懸命に舐める様子を、愛しく眺めるシオン。 「どう……ほぐれた?」 「な、なんとか……」 「広げて見せて」 (なんだよそれ、はずっ……)  とカノキは思ったが、シオンの勢いに断ることができない。 「四つん這いになって、よく見せて」 「ほら、ご主人様……もうこんなです」 「うん……良い感じだね」  くぱ……とあいたカノキの穴を、なぞるように、くるりと指先でなぞられ、カノキの体が跳ねた。 (羞恥心でどうにかなっちゃいそうだ……) 「挿れるね、カノキ」 「ど、どうぞっ……あぁっ!」  いきなり奥まで突き立てられ、大きく声が漏れる。 ──痛い、でも……  シオンが後ろから突くたびに、痛みが快楽へと変わっていく……! 「気持ちい? 気持ちいって言ってカノキ」 「ご主人様っ、きもちいよ! すっごく、すっごく……!!」  はぁはぁと乱れる2人の息、パンパンと激しく打ち突けられる音も、興奮の材料となっていく──! 「ご主人様っ、ダメ、もうっ……もう……!!!」 「あっ、いくよカノキ、いくっ、イクッ──!!」 ── ─ ─ 「すまなかったね、カノキ。たまにはこういうのも良いだろ」 「あぁ……はぁ……そうだな、ご主人様」  2人が倒れ込むようにして横たわっている、乱れに乱れたベッドは、ことの激しさの余韻を残していた──

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