6 / 24

#6 これが俺の日常だから

 カノキが兵士を連れて大浴場に入ると、他に利用していた者たちが、何かを察してそそくさと風呂場を後にしていく。 「ん? 俺、嫌われてるのかなー?」 「そういうことではないと、思いますけど」  カノキはオドオドとその場に立ちすくむ兵士を、風呂に浸からせる。 「ちょっと待ってて、あんたの前に先客がいたから、少し洗ってくる」 「えっ! なんかすみません、そんな時に声かけてしまって」 「いーよ、まだ1回しかイってないし」  熱いお湯で体を流す。排水溝に飲み込まれていく湯を見ながら、カノキは少し寂しいような、複雑な気持ちになっていた。 「お待たせ」  隅々まで色々な部分を流し終え、カノキは兵士に声をかける。 「あっ、もう、いいんですか?」 「いーよ」  浴槽の淵に腰掛けると、兵士の頭を股間に引き寄せる。 「フェラしてよ」  兵士はカノキのそそり立ったものに口をつける。 「いーよ、いい感じ、もっと奥まで咥えてよ」 「んっ、はぁっ、こうですか……?」 「いいね、気持ちいいよ」  ジュポジュポと兵士の舐める音と、風呂の水音が合わさって、心地よい。 「やっぱ俺は……んっ、舐めるより舐められる派だよねーっ。そういえばあんた、名前なんだっけ」 「えと、わたくしは……うっ」  舐めるのを止めようとした兵士の頭を、掴んで静止する。 「いいや、名前とか。そういうの、興味ないし」 「んっ……は、い……」  そのままフェラを続けさせていると、徐々に兵士の肌が赤くなっていく。 「ご、めん……風呂、熱いよね。出ていいよ。ココに手ついて」  カノキは腰掛けていた浴槽の淵に、兵士の手をつかせ後ろに回る。  なぜか風呂場にも意味深に置いてある潤滑剤を手に取り、兵士の穴に塗りたくる。 「あんた、あんまり慣れてなかったっけ。あれ……?」  兵士の穴は、いとも簡単にするりと指の侵入を許した。 「その……カノキさんとシてから、止められなくなっちゃ……って」  兵士の言葉に、カノキはニヤリと笑みを浮かべる。 「へぇ……1人でシてたの? それとも……」 「どっちも……ですっ──あっ!」 「悪い子だねぇ。こんなにヒクヒクさせて」  兵士のナカでカノキの指が、クチュクチュとまるで違う生き物のように蠢く。 「すみませ……んっ、はぁっ!」 「そうゆうの、嫌いじゃないからいーよ」 「あっ──!」  兵士の体が硬直し、ビュルビュルとだらしなく精液がこぼれていく。 「だめだよー、お湯が汚れちゃう」  カノキはそばにあった桶で、兵士の液をすくって外に出す。 「すみませ……あぁっ!」  ズチュ。と中にカノキのものが入る。ナカを掻き回すように動くと、兵士の喘ぐ声が半ば叫び声のように風呂に響き渡った。 「んっ……んんっ」  片手を兵士の肩を掴み、もう片方の手で兵士の口を塞ぐ。 「だぁめ、外の人達に聞こえちゃう……でしょっ」  カノキは先ほど上がって行った他の者たちが、こっそりと自分たちのことを見ているのを知っている。 「あっ、あっ……!」  夢中になって声を出す兵士に、カノキの声は聞こえていないようだ。 「あぁ、もっと……もっと激しくするから……イクよ、イクっ! あっ!」 ──!! 「はぁ……」  カノキは、へたり込む兵士の腰を持ち上げて座らせると、自分は床に寝そべる。 「すごく、よかったです……カノキさん」 「そりゃどうも。たまには良いね、ベッド以外でするのも」 「カノキさん、よかったらわたくしと、また……」 「んー、約束はできないから、俺気分屋だし」 「ですよね……」  しょぼんと肩を落とす兵士の肩を、起き上がってポンと叩く。 「あんた、きっと良い相手見つかるよ。フェラ上手いし。そこの人たちとか、良いと思うよ」  カノキがガラス戸から覗く者たちを指さすと、つられてその方を見た兵士は一気に赤面する。見られた覗きの者たちも、ギョッと視線をそらした。 「めちゃくちゃ見られてるじゃないですか……」 「良いじゃん、こういうのも興奮材料だよ」 「そうですか……」 「あー、また体洗わないと。汗かいちゃったし」  お湯の滴る前髪をかきあげ、天井を見上げるカノキ。  ──ご主人様は、どうしてるかなぁ……。

ともだちにシェアしよう!