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#11 痛みを超えた先

 ベッドに横たわる僕。 「本当に……良いのですね」  ヤナギは諦めたように顔を近づける。 「ヤナギっ……んんっ」  ヤナギはゆっくりと口付けし、少しずつ少しずつ深くしていく。 「んっ……やばっ、ヤナギすごいっ……」  頭が、クラクラして、フラフラして…… 「もっと……もっとっ!」  かき抱くようにしてキスをせがむ僕に、ヤナギは動きを止める。 「もう、良いでしょう……今日はこれで自室に戻って下さい。お願いします、シオン様……」 「なんで……」 「それにその話し方……普段のシオン様らしくないです」 「普段は王子っぽく話してるだけ。今の方が本当の僕なの!」 「シオン様、お願いです。ほんとに私、もう……」  僕は何かに気づいて、ニヤッと笑った。 「ヤナギ……」  ベッドシーツの中を探る僕の手が、ヤナギのあそこに触れる。 「ちょっ、と、本当に、やめてくだ……」 「すごく勃ってる。興奮してるんだよね」  僕がヤナギのものの先端を指で弾く。 「くっ……」  ヤナギは顔を赤らめ、諦めたように言った。 「……分かりました。ただ、私が攻めさせていただきます。奉仕と思えば、私の中で納得がいきますので……よろしいですか?」  僕は頷いた。 「では……」  ヤナギは僕の股間のほうへ潜ると、唇で包み込んだ。 「──!」  今まで感じたことのない刺激に、僕の体が変になったみたいにビクビクと震える。僕は思わずヤナギを包むシーツを取り払った。 「……!」  恥ずかしそうに顔を赤らめるヤナギ。 「イイから、見せて、続けて……んんっ」 「シオン様は……その、初めてですか?」  クチュ ペロ……  ヤナギは舐めながら聞く。 「そう、だよ? ヤナギがこんなヤりなれてるの、僕、知らなかった……」 「それは……隠してましたので。……それでは〝ココ〟も」  ヤナギは僕の穴の辺りを、指でトントンと軽く叩く。 「初めてってことですよね……」 「そう、だよっ!」 「良いのですか? 私なんかが貴方の……」 「っ、良いから、はやくシて!」 「かしこまりました……」 「シオン様、これから私のをナカに入れる準備をします」  淡々と説明してくるヤナギ。 「このヌルヌルした液で、貴方のをほぐしていきます。優しくはしますが、多少は痛むので我慢してください」  僕の穴の周りをぐるぐると潤滑剤で濡らす。 「んっ……」  ゆっくりと、丁寧に、ヤナギの指が僕のナカに入っていく。 「はぁ……いたっ……」  僕が痛みで震えるたびに、ヤナギは優しく僕にキスをして、甘く舌を絡めてきた。 「大丈夫です。ほら、もう少し」 「いた、い……かはぁっ」  ズズズ、とヤナギの指が僕の奥まで進む。 「1本、奥まで入りましたよ」  頭を撫でられ、キスされる。深い口付けに夢中になっていると、ナカをかき回される。痛みで我にかえったころ、また口付けに夢中にさせられる。  丁寧に、丁寧に、僕の穴が広げられていく。  痛みと、気持ち良さで、僕の心がおかしくなっていく── 「もう、止められませんよ。挿れさせていただきます……」 「こんなのっ……入るの?」  痛みに怯えすっかり弱気な僕に、ヤナギはキスをする。 「ん、はぁ……あっ、うっ」  激しい口付けに頭がとろける。繋がれた手をギュッと握り返すと、それに応えるようにヤナギも握った。 「あ──!!!」  凄く、痛かった、でも──  ぎゅぅっ……  ヤナギに包み込まれるように抱きしめられたことのほうが、ずっとずっと気持ちよくて、僕は痛みを忘れることができた──

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