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第2話
僕の両親は、僕を女の子のように可愛がった。
さすがに女の子の服は着せなかったが、女の子のように慎ましく生きろ、と常々言われてきた。
「奈津は本当に女の子みたいね。髪も茶色っぽくてさらさらだし、それに、優しくてママの言う事も聞いてくれるし。我ながら自慢の息子よ。」
「僕、女の子じゃないよ。中学生なんだし、髪も…みんなみたいに短くしたい…」
「ダメよ!奈津はみんなと違うんだから!髪が長い方が絶対似合うわ!ねぇ、アナタもそう思うでしょ?」
「あぁ、そうだな。奈津は可愛いからな。」
「……わかったよ」
両親はまるで僕の話を聞いてくれない。
言っても無駄だと思ってるから、諦めて受け入れる事にしていた。
息子の僕を溺愛していて、お父さんが小さいながらも会社の社長をしているから、いつも僕には高級な服や食事がもてなされていた。
……でも、僕はいつも息苦しさを感じていた。
どうして、僕自身を認めてくれないんだろう?
どうして、僕は男なのに女みたいなんだろう?
僕を僕として見てくれるのは、
いつだってアキだけだった………
ピンポーン
「あ!アキくんが来たんじゃない?きっとそうよ!ほらほら、奈津!早く行っておいで!」
「………うん」
ガチャッ
「おはよう、奈津」
そう言って笑うアキの笑顔は、いつも眩しい。
僕とは不釣り合いな程、整った容姿と服。
アキは、どうして僕はなんかと仲良くしてくれるんだろう……
「お、おはよう、アキ」
嬉しさと照れから少し声が震えてしまった。
「さ、行こうか」
「…うん。お母さん、学校行ってきます…」
お母さんはパタパタと走ってきて、アキを見るなりニッコリ笑って、
「アキくん、おはよう。今日もイケメンね!」
「おはようございます。いえ、いつもと同じですよ。では、お邪魔しました。奈津、行こう」
そう言って自然と僕の手を引くアキは、やっぱり僕の特別な存在だ。
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