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第6話

僕がアキを好きだと自覚したのはいつだろう… わからないぐらい、ずっと前から好きだった。 この感情が世間一般では祝福されない事は、子どもながらに理解していた。 だから、女の人を好きになろうと努力した事もあった。 …でも、どうしても恋愛感情は湧かなかった。 アキに対する感情と同じものは、他の人には感じられなかった。 アキにも両親にも自分の気持ちは言えないまま、本音を隠して生活を続けた。 アキの何気ない言葉や行動が、僕の恋を少しづつ成熟させていき、気づいた頃にはアキ以外見れなくなっていた。 ---- 「ナツ!一緒に帰ろう!」 そう言って笑いながら僕の肩に回した手に、僕の気持ちが気づかれないかいつもビクビクしていた。 ………と、同時に、気づいてほしいという気持ちも少なからずあった。 付き合いたいなんて思ってない。 ………でも、もしも、 本当にもしも、 アキが僕の事を少しでも好きでいてくれたら。 それだけで僕はこの先もずっと生きていける。 それぐらいアキは僕の中心だった。 でも……… ずっと続くと思っていた関係も、 …………突然、終わりを告げた。 僕の両親が交通事故で亡くなった。 それは、高校受験を控えた中学3年の頃だった。

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