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第7話

その日、両親は僕の誕生日プレゼントを買いに行っていた。 何を渡すかは当日のお楽しみと言いながら、2人は久々のデートも兼ねて、楽しそうに車で都内へ向かっていた。 「晩ご飯までには帰るね」 そう言い残し、いつものように見送った。 天気予報は晴れだったのに、2人が出掛けた後、急に土砂降りになった。 父は仕事でも運転をする事があり、雨の運転にも慣れているだろうと安心して、僕はリビングで何気なくテレビを見ていた。 ……… 晩ご飯の時間になっても帰ってこない2人。 その後も全く連絡がなく、気づけば20時に。 そして、突然鳴り響いた僕の着信音。 …………あまりにも突然だった。 この先もずっと続くと思っていた日常が、予告なく終わりを告げる。 目の前が真っ暗になり、何も考えられなくなった。 ……本当に?本当に両親は死んだのか? 信じたくない…………… 混乱する中、外へ出て頭を冷やす事にした。 幸い、降り続いていた雨のお陰で、すぐに全身ずぶ濡れになり頭が冴えた。 このまま僕も両親のところへ行けないだろうか? そんな事を考えながら立ち尽くしていると、 「ッ……ナツ!」 と僕を呼ぶ声がして、強く抱きしめられた。 この温もりは、アキだ………

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