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第15話 ※
「…で、俺のフェロモンが漂う部屋で同じベッドに寝てたら、やっぱこうなるよなー」
希は膝で霞の勃起したペニスをズボン越しにぐりぐりと射精しない程度に弄った。
「しーっ!聞こえてたらどうするんですか!」
霞が思い切り腰を引きながらひそひそと返す。
「大丈夫。母さん達からの部屋からは離れてるし、うちΩが多いから防音はちゃんとしてるんだ。発情期 の度に喘ぎ声が聞こえてきたらいたたまれないだろ?ダストシュートもランドリーシュートもあそこにあるし、あと換気扇のスイッチはあれ。諸々の替えはあの中にしまってあるし、冷蔵庫もある」
「わあ、なんか生々しいですね…」
「というわけで、お前の童貞もらっていい?」
「なんでそうなるんですか!?」
「いや、発情期来たら俺もお前も理性無くすだろ?その前に一度やってみようと思って。あとおうちセックスって貴重だよな」
「最後に身も蓋もないこと言わないでください!」
「興味無いの?」
「無いわけでは、ないですけど!」
「じゃあいいじゃん。あと安心したらすごいヤりたくなった」
「ええ…」
「ねえ、…シよ?」
耳元で囁くと、霞が息を呑む音が聞こえた。
念の為部屋の鍵がかかっていることを確認し、服を脱ぎ、先に自分のものにコンドームを被せる。どこからともなく希が取り出したコンドームとローション(発情期以外も男のΩは濡れなくもないが、そのままではとても性交できるほどの量ではないためローションは必須なのである)に、「最初からそのつもりだったんですね…」と言いながら霞も服を脱いだ。
「んーまあ、あわよくば?話がどう転ぶか分からなかったし、でもまあよしよしセックスもいいかなって」
「それガチなやつじゃないですか、初体験がそれはちょっと」
「まあ霞なら両親にも喜んでもらえるって思ってたし…あんな怖い思いするとは思ってなかった、霞もごめんな」
「いや、希さんが謝ることじゃないですよ」
「それもそうだな。じゃあヤるか」
「その切り替えの速さ、羨ましいです」
「やったあ」
「褒めてないですよ…」
「ちなみに準備も済ませてきたから」
「本当にする気満々ですね!?」
できる限り理性を保ったまましたいので、今回はプレイもなしだ。
「本当、舐めるの好きですよね…」
「うん、霞のでっかいちんぽ舐めるの好き」
「躊躇いもなく言わないでください」
「何度もヤってるようなもんなのに、いつまで経っても初々しいよな」
そう言いながら、自分の後ろをほぐす。念には念を入れた方がいい。
「ちょっと、そろそろ出るので離してください」
「えー…いや最初は中に出したいよな、わかるわかる」
「その余裕なんか腹立ちますね」
「…まあ発情期 の時とか普通にバイブとかディルドとか入れてるし、色んな奴とヤってたから処女はあげられないけど、でもほら、お前のずっと欲しいと思ってたから、」
そう言って希は足を広げながらひくつくアナル を開いて見せつける。
「俺の中、いっぱい味わって?」
いつも始めからそういう目的の男と寝ていたから誘惑するのなんて初めてだ。さすがに顔が熱くなる。霞を見上げていた目を逸らそうかと思ったが、その前に逃げ道を塞がれた。
「いいですか、僕があなたを抱くんですからね」
そう言って霞が希の唇に触れるだけのキスをする。焦っているのかもたつきながらコンドームをつけ、ローションをかけた霞の切っ先が希のアナルに触れる。
「僕が入れるところ、よく見ていてください」
コマンドでもないのに見てしまう。期待感が募っていく。
「ん、入れて」
言うやいなや、霞が希の中にゆっくり入ってきた。圧迫感をいつもより感じるのは、慣らしているとはいえしばらくしていなかったからか、それとも求めていたものを奥に引き込もうとする自分のせいか。
「っふ、んぐ、」
途中で出したくないのか、霞が歯を食いしばる。入ってくる動きは緩慢すぎるほどで、とても刺激とは言いづらい。でも、それがたまらない。
「~~~っ!」
霞の先端が子宮口を擦っただけで、希は甘イキしてしまった。なぜか恥ずかしくて声は抑えたが、中は子種を搾り取ろうと蠢く。
「ふあっ…!」
その拍子に霞も精を放出する。そして、しばらくして恨みがましくこちらを見てきた。
「…は、いや、俺がイったせいだし」
「それでもプライドというものがあるんですよ、僕にも」
コンドームを縛りながら霞が呟く。
「ほら、夜はまだこれからだし」
「そうですね、楽しみましょう」
覆いかぶさってきた霞が少し深いキスをしながらまた挿入してくる。それを迎え入れながら、希は霞を抱きしめた。
今度は入れるだけで達してしまうというようなことにはならなかった。しかしその後、希は快楽の波に襲われ続けることになった。
「っく、お前、そこ、ばっかり…!」
ゆっくりと子宮口ばかり擦られる。さっき出したからか霞は余裕そうだが、希は正直いっぱいいっぱいだ。
「ここ好きなんですね、さっきもちょっと当たっただけでイってましたし」
「仕方、ないだろっ、てかほんとやめろ、そこはヤバい、理性、飛ぶ、からっ!」
「孕みたくなっちゃうんですか?」
もう声も出せなくて、必死で頷く。すると霞が耳元に顔を寄せてきた。
「淫乱、ですね」
「っ、く、~~!」
低い声で言われたそれに被虐心までくすぐられ、今度こそ希は深く絶頂した。中がぎゅうぎゅうと霞の精を求めてしがみつく。
「はあっ、ちょっと、きつすぎ…!」
「無理、止まらな…っ」
生理的な涙をこぼしながら、希はしばらくイっていた。
「…本当にここ好きなんですね」
「あうっ」
まだ絶頂の余韻が引ききらないうちに突き上げられる。とはいえ、そのまま責め続けるつもりはないようで、1回だけで止まった。
「まさか他の人相手でもそうだったんですか?」
不安と嫉妬の入り交じった声で尋ねられ、希は息を整えた後首を横に振った。
「いや、こんなの初めて。まあ今まではプレイ試した後口直しにセックスすることが多かったからっていうのもあるんだろうけど、ここ擦られて赤ちゃん欲しいって思っちゃったのはほんとに初めて。俺もびっくりした」
自分のお腹を撫でながらそう言うと霞はいきなり抱きついてきた。
「…幸せにします」
「それ今言う?」
希がくすくす笑いながら霞の頭を撫でる。
「いつ言ったっていいでしょう、それよりだいぶ余裕が戻ってきましたね。僕も出したいんですけど」
「待って、さっきのところは本当にだめ、なんか発情入りそうだったからシャレにならない」
「そうなんですか?じゃあ…」
霞が腰を引いていく。深くまで挿入された陰茎が抜かれていく感触に、希は嫌な予感がして口を抑えたが、無駄だった。
「ひあっ!?」
「ここですか?前立腺」
今度はそこばかりを突き上げられて、希は高い声で喘いだ。
男性Ωには(女性αにも)、元は同じ器官とされる子宮と前立腺が両方存在する。「人体の神秘」とも言われているが、今の希にはそんなことは関係なかった。子宮口とは違った意味で気持ちいい。頭の中が焼き切れそうだ。
「ひぃ、ひっ、そこ、やらぁ!」
「やっぱり、心配に、なってくる、んっ、ですけど…」
霞の声を聞く余裕もない。
「ああ、ここもっ、触りたい、ですよね?」
「いやぁ!むり、だからぁ!」
その上ペニスまで扱かれて希は髪を振り乱す。
同じ男性だからというのを抜きにしても、霞はペニスを扱くのが異様に上手い。もうはやく霞も絶頂してほしいと思いながら、希は急速に昇りつめていった。
「ひっ、い~~~!」
「くっ、僕も…!」
最後にまた奥まで突き上げられて、霞が射精する。それを感じながら、希は意識を飛ばした。
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