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楽園 33
キヨハラは王様生活を漫喫していた。
家ではキヨハラは誰にも見えない存在だが、外へでれば違った。
キヨハラの言葉一つに喜び苦しみ、従う。
面白かった。
クラスメイトの少年達に競わせた。
どれだけ危ないことができるかを。
キヨハラに認めてもらいたい少年達はキヨハラに言われるまでもなく危険な行為をしていく。
最初は教室でのバク転や机の上からの飛び込み前転みたいな、それでも危ないものだったが、2階の窓からぶら下がり懸垂等しだした。
屋上の柵でバランスをとったり。
キヨハラのためにどこまで出来るかのチキンゲームのようなものが始まっていたことをキヨハラは分かっていなかった。
もちろんキヨハラもその辺になると止めていた。
止めれると思っていたのだ。
それくらいはコントロールできる、と。
キヨハラは少年達を自分のために殴り合わせることもさせたが、だが、大きなケガになる前には止めさせていた。
そこまでさせられる、ということがキヨハラにとっての楽しさで、本当に殴り合わせることには興味がなかったのだ。
キヨハラには誰かがそこまで自分のためにしてくれる、ということが嬉しくて楽しいことだった。
これまで義務的に世話され、誰もキヨハラの存在を気に止めて来なかったのだ。
でも今は誰もがキヨハラの言いなりで、キヨハラに好かれたくてたまらないのだ。
何だってしてくれる、ということが楽し過ぎた。
女達もそうだ。
キヨハラは父親のように女達を傷つけて楽しむことはしなかった。
目の前で他の女を抱いたりするようなああいう真似は吐き気がしたからだ。
キヨハラは近寄る女達に応えただけだ。
だが、優しくすれば女達が自分に狂うのを面白がっていたのは否定できない。
取るに足らなかった存在だった子供が、大人の女達が必死になっているのは、セックスとは違う気持ち良さがあった。
優しくした。
無責任だと思いもしなかった。
自分は子供で相手は大人だ。
しかも、誘ってきたのは向こうなのだ。
そしてセックスは楽しかったし気持ち良かった。
同じ年頃の女の子達には目も向けなかった。
優しくはしても。
大人の方が色々都合が良かったからだ。
それでも。
少女達もキヨハラに狂い始めていた。
キヨハラの気を引こうと必死になった。
キヨハラに笑いかけられた少女はそれだけで嫉妬の対象となった。
絶対にキヨハラが同年代の少女を相手にしないからこそ。
大人の女達もキヨハラを独占したがるようになった。
自分以外の相手について調べ始めた。
少年達は少年達で、キヨハラに認められたいと色んな無茶をするようになり、キヨハラに気に入られるためにはどうすれば良いか必死で足掻き始めた。
キヨハラを求めて。
キヨハラの周りはドロドロとした感情が渦巻き始めた。
でも。
まだキヨハラは面白いとしか思っていなかった。
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