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第32話:知ってよ

唇を重ね手を絡め、息を吐く音が静かに部屋に響く。 酒のせいでも良い。太一が触れる事を拒まない事が嬉しくて、時折少しだけ困ったような顔をされ罪悪感も感じたけど、それすらも愛おしくて太一の優しさに付け込んでしまう。 「大和、っ…待っ…」 恥ずかしそうに顔を隠すその手にキスをして、もう一度唇を重ねる。 「あっ…ふ…ぅ…ん、っ」 涙目になってるのかわいい。 「や…まと…ッ…」 震える声で俺の名前を呼ぶのがたまらない。 「ちょ…ほんと待って…」 「最後までしない。大丈夫だから」 「っ……」 もっと、もっと、俺の事で太一を困らせたい。 「うわっ」 太一を抱き上げベッドに押し倒しシャツのボタンを外す。その手を止めようとしていたけど、本気の抵抗じゃなかった。 両手を押さえつけ見下ろすとはだけたシャツから赤く火照った肌が見える。それがあまりにも色っぽくてゾクゾクする。 「男同士の付き合い、知りたいんだろ?」 「そっ…そうだけど、こういうのはまだ…」 「こういうのも知ってほしいんだけど、ダメ?」 「……お前…その聞き方はずるいって」 「はは、ごめん」 俺も珍しく今日は酔ってるんだろうか。酒なんて飲んでも大して変わらないと思ってたけどなんだかいつもより理性が効いてない気がする。 俺のベッドに太一がいる。太一の気持ちが固まるまであと何回こんなチャンスがあるだろう。 「あっ…ぅ、はっ…ん‼︎」 「っは、太一はここが好きだろ」 「んぅッ‼︎す、好きじゃな…」 「そう?こっち勃ってるけど」 「っ‼︎」 舌を絡めキスをしながら乳首をいじると嘘をつかれた。否定するように下を撫でると太一はカッと赤くなる。 ズボンを脱がせて下着の上から上下に擦るとビクビクと体が震えていた。 「待っ…大和っ、待てっほんと、やばい、からっ」 「やばいって何?気持ちよくて?それかイキそうって事?」 「あ、イ…イキそ…っ‼︎」 「………」 まだ少ししか触ってないのに太一は呆気なくイッた。 下着の上からでもわかるほどに精液を吐き出した太一は体の力が抜けると大きく息を吐いた。 「早いね。溜まってた?」 「……るせ」 「あーあ。中グチャグチャ。すごいことなってるけど」 「もう頼むから何も言わないでくれ…」 恥ずかしいのか太一は両手で顔を隠した。言った通り下着の中はすごい事になっていてエロい匂いがまた俺の中の理性を揺るがす。 「‼︎ちょ、おいっ…」 「もったいないから使う」 「はっ⁉︎え、あっ‼︎」 下着の中に手を入れ精液を指に絡めて後ろの穴を撫でると太一は目を見開いた。俺の腕にしがみついて体にぎゅっと力が入ったのがわかる。 「前にも言っただろ。力抜いて」 「や、そ、こはっ…‼︎」 震えてるのにまた勃起してるところを見るとやっぱり太一は才能があるのかも。 ほんと、かわいい。 指をナカに入れてかき回すとビクビクと体が跳ねる。俺の服を掴む太一の手にまたぎゅっと力が込められた。 俺の手の中で快楽に溺れていく姿は今までに感じた事のない感覚を引き起こす。 もっと乱したい。ひどくしたら太一はどんな顔で泣くんだろうか。 「こっち見て」 「っ…うっ、ぁあ」 「太一」 「はっ、あっ…ゆ、指…動かすなっ」 優しくしたいけど、でも本当はもっとひどくしてナカまで俺で犯し尽くしたい。 「ねぇ、顔見せて」 「うっ…ああっ」 しがみついたまま顔を隠す太一にそう言うと、ゆっくりと視線が向けられる。 恥ずかしくて、気持ちよくて、やめてほしいのに言えなくて。 その全てを我慢してるかのように下唇を噛んで俺を見上げる太一。 「こんなのっ…知らな…」 ダメだ。体の奥がゾクゾクする。 こんな事今まで誰にも思った事なかったのに。 「もっと知ってよ。男同士の気持ちいい事」 「ひ、あっ…‼︎」 グチャグチャになるまで犯したいだなんて。 「俺が教えてやるから」

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