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「知希のいく顔が可愛くて一気にキた」  ははっと笑って言われてどっと汗が噴き出した。 「ほら、手、拭いてやるから。腹も」  飛び散った白濁を拭ってくれる大きな手を、じりじりしながら眺めた。  その手でもっと触ってほしい  一回出したくらいじゃ身体の熱は収まらない。  むしろもっともっと欲しくなってる。  自分が欲張りなのは、もう知ってる。 「…桐人…」 「ん?」  自分の手を拭いていた桐人の首に、腕を巻き付けるように抱きついた。 「知希?」  名前を呼びながら背中を撫でられて、躊躇う気持ちがどこかへ消えた。 「…もっと、して? オレまだ全然足りない…」  耳元に唇を寄せてねだった。恥ずかしくて声が掠れる。  でも思ってる事は言わなきゃ伝わらないから… 「…ったく…」  どさりとベッドに押し倒された。額を合わせてのし掛かられる。 「今日はこのぐらいで我慢しようと思ってたのに。お前どんだけ可愛いんだよ」  苦笑しながら桐人が口付けてくる。口内を舐め回して熱い息を吹き込まれた。  えへへと笑って桐人の背中に手を回して、舌と舌を絡めて次の刺激を待ち侘びた。  大きな熱い手が、胸を腹を撫でて、脚の間に入り込む。 「…ここ、いいの?」  指でするりと撫でられて身体が跳ねた。    見下ろしてくる桐人を見つめ返して、うんと頷いて応えた。 「…最後まで、したい…。しよ…?桐人…」  緊張と興奮で視界が潤む。 「分かった。ちょっと待ってろ」  なんだろうと思いながら、そのバランスのいい後ろ姿を眺めた。  それから少し薄暗い桐人の部屋を見回した。リビングと同じ、統一感のあるスッキリした室内。  キレイにしてるなあ…。  ぼんやりしていると、戻ってきた桐人に抱きしめられた。 「こんな事になるなんて思ってねぇから、ごめんな?」  何が?と思いながら、同時になんでもいいやと思った。密着した肌が飢えて喉が渇く。 「キス…して…?」  見上げながらそう言うと、喰らい付くように唇を奪われた。  上顎を舐められて背中がしなる。

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