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第20話
*
…腰が痛い…
それと、頭も痛い。
これって二日酔いだ、サイアク。
でも腰の鈍い痛みは一体何だ?
別に昨日疲れるようなことしてないんだけど…。
それと、なんかすごくあったかい。
まだ春先だから朝は冷えるんだけど、なんかいつもより布団がぬくくてすごく気持ちいい…。
俺は無意識に、そのあたたかいものにしがみついた。
あー…気持ちい…、すごくスベスベで、これって人肌みたいな…
…は?人肌?
「おはようございます、榛名先生。昨日はよく眠れましたか?」
「………」
きり…さき、せんせい…?
え、なんで俺霧咲先生と同じベッドで寝てんの…?
「腰は痛みませんか?昨日は俺も酔ってたので、少し激しくしすぎたかもしれません…次はもっと優しくしますね。それについナカに出してしまって…」
「きのう…って…」
あれ?ちょっと待って…
「榛名先生、とっても可愛かったですよ。それにすごくいやらしくて…俺が初めての相手だなんて本当に光栄です、ありがとうございます。………榛名先生?」
昨日のって、俺の妄想じゃ…
ってか、夢じゃ…
「榛名先生、どうしました?」
夢じゃ、ない?
夢だけど、夢じゃなかった…?
いや、普通に夢じゃなかった?
………え………だとしたら…
「う…」
「う?」
「うわあああああ―――っ!!!」
「榛名先生!!?」
俺は腰と頭が痛むことも忘れてベッドから飛び上がり、来たことのない霧咲先生宅の廊下を走りぬけ、トイレらしきドアに手を掛けて中に飛び込んだ。
すると、何かぬるっとした液体が尻の穴からトロトロ出てきて、太ももから伝って落ちた。
「ひぃっ!?」
慌ててトイレットペーパーを数回巻いて取り、後ろを押さえる。
そのまま鍵を閉めてドアに背を向け、ズルズルとその場にしゃがみ込んだ。
そして今更自分が全裸なことに気付き、再び絶望した。
…うそだ、うそだ、嘘だっ!!!
昨日霧咲先生とセックスしたの…夢じゃなかったのか?
だとしたら…え…だとしたら…
俺は、とんでもない数の恥を晒してしまったんじゃないか………!!
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