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第24話

でもなんか変なモノを食べたときの痛みじゃなくって、キリキリと痛むっていうか…。 就活の時とか面接の前、みたいな。 これって…あれか。ストレス性胃腸炎。 あと5分で職員室での朝礼が始まるけど、この状態じゃ戻れそうにない。 けど、霧咲先生か富永先生が俺が学校に来てるってことだけは言ってくれると思うから、もうしばらくこのままトイレに籠っていよう。 授業にさえ間に合えば…いい。 「ハアー…」 * コンコン 「榛名先生」 「えっ?」 き、き、霧咲先生!? あれ、このシチュエーションはついこの間と同じような…!? 「は、はい?」 「大丈夫ですか?今朝の朝礼は早めに終わりましたので、様子を見に来ました」 「あ、すみません。わざわざありがとうございます…」 顔を見ずにいれば…教師モードならば、普通に喋れる。 そのことに少しホッとした。 けど、やっぱり辛いことには代わりない。 …胸が痛い。 「…土曜日は、すみませんでした。榛名先生はひどく酔ってらしたのに、俺は…」 「あ、謝らないでください!」 だってあれは、俺の記憶が正確だったら、夢だと思って霧咲先生を誘ったのは俺の方なわけで… 「………!」 思い出したら、一気に身体が熱くなった。 「榛名先生?」 「あの…もう、あんまり俺に構わないでください…」 優しくされると、辛い。 望みなんてないと分かってるのに、教師としてならこれからも仲良く…なってもないけど、やっていけるんじゃないかって思うのも…逆にしんどい。 「…分かりました。すみません」 謝らないでください、って言ったのに。 なんだか泣きそうだ。 でも、もうそろそろ俺も行かないと授業に遅れてしまう。 ……バタン トイレのドアの開閉音が聞こえたところで、俺は個室から出てまた大きなため息を着いたのだった。

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