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第2話 宿命
授業が始まるチャイムがなったが喜一は保健室にいた。
「おーい、喜一学生の務めを果たしたらどうだい?」
保険医が話しかけてきた。
どうやら兄弟らしい。
「……お兄ちゃんには関係ないじゃん」
「なんだよ、久遠寺の坊ちゃんと喧嘩でもしたのか?」
「……喧嘩じゃない、でも嫌なこと」
「あーまぁな久遠寺のやつらは横暴なところはあるけど番 はいいぞ」
「……お兄ちゃんよく受け入れられたね」
「俺だって学生の頃は家のこととかもあって嫌々だったけどさ本当に繋がった時なんてもう隼人好き♡ってなった」
「……うわぁ……」
「って引くなよ、お前も今後そうなるんだから」
「分かんないな」
「ってことで仮病つかうやつは保健室から出て行ってください」
ポンと追い出された。
「兄ちゃんの意地悪」
はぁ……。どうして男と女の世界があるのにうちの家系は
男×男じゃないといけないんだろ、絶対におかしいだろ。
それにお兄ちゃんの相手は隼人兄ちゃんだよ……スポーツ万能でガタイもよくてかっこいいし、そりゃあんな人に抱かれたらなんかいいなって思うよ……多分。
でも太一はバカ力だし、すぐにやろうとするし、ムードってのはないのかよ。
「あれ~ お姫様じゃんこんなとこいていいの?」
授業出るのもめんどくさくなり屋上に上がる階段のところにいた。
「杵島 家の御曹司が俺みたいなのに声かけてもいいのかよ」
「……花里の男は美人だし、久遠寺が守ってくれるから勉強なんてもいらないんだもんな」
……ねちっとこちらを見てくる、気持ち悪い。
「まぁ杵島家の嫁にでもなってくれれば久遠寺家とはおさらばしてこれからは代々杵島家がやっていってもいいんだからな」
さらっと耳障りなことを言われ俺は葛藤となってしまった。
「男の家系が1人2人増えたところで状況は変わらないんだよ」
「ほぉ、その睨みいいね、そそるよ」
近づいてきたので避けるように階段を降りた。
「気持ち悪いんだよ、全員俺に近寄るな!!」
「近寄るなだって姫の分際で」
杵島が手を延ばしてきたがそれを第三者がとめた。
「君たち授業中だけど」
「……久遠寺隼人……」
「久遠寺先生だろ、お前ら説教食らいたいのか?」
「だいたいこんな高校に入れなくても手厚く家で囲んでおけばいいだろ」
「それもできないんだよ」
「俺らには自由がないからね」
「うっ花里葵」
「やぁ~~番がいても俺の色気はすごいでしょ」
「……お兄ちゃんたち」
そう来たのは久遠寺家当主候補、久遠寺隼人 と10歳差の兄である花里葵 だった。
2人は18歳の番の儀式で結婚していて正直2人の関係はいいと思ってる。
でも俺は……。
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