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第7話 学校にて
「なぁ俺お前になにかした?」
「してないよ」
学校についても直の顔を直視できなかったので本田先生の元に向かった。
「先、教室行ってて」
「……分かった」
この時間は生徒指導室にいるから 廊下から中を見ると1人生徒がいた。
腕に包帯を巻いているようだ。
それにしてもここ保健室じゃないんだけどなと見てると思いっきりドアにカバンがあたってしまいガンと音がなってしまった。
「おや、誰かと思ったら早稲田、なにしてるんだ?」
「おはようございます、先生、いやー廊下を通りかかったらなにやら話こんでいたので」
椅子に座っていた生徒は立ち上がった。
「纐纈 くん 手当はそれでいいのかい?」
「はい、ありがとうございます」
となんとも表情がないまま生徒指導室から出て行った。
「先生」
俺はにこにこと話しかけると
「早稲田はなにかしてほしいことでもあるのか?」
「んー生物教えてほしいかな」
本田先生は理科系の先生なのだ。
「たしか早瀬が勉強見てくれているんじゃないのか?」
「直にも苦手分野があるんです」
「それが生物なのか?」
「はい」
「そっか、まぁ放課後だな」
「よし! じゃぁ放課後また来ますね」
俺は先生を後にした。
教室に戻れば直がいて、先ほどの纐纈 もいた。
正直なところ話したことないし話かけられても基本無視だろうな。
「どうした?」
「別に? なんでもないよって思ったけどあの前の席の腕に包帯巻いてる子知ってる?」
「纐纈豊だっけ、漢字ちょーむずなやつと無表情くんって情報しか知らない」
「だよね、俺も」
「纐纈がどうした?」
「んーさっき本田のとこいてさ包帯巻いてたけど、そういうのは保健室でやれよって思わない?」
「保健室が空いてなかったとかじゃないのか?」
「あ、そっか、それもあるな」
「それよりも春樹、今日朝から俺の顔を見るなら照れた様子だったけどどうしたんだ?」
「へ? ……なんでもないし」といいそっぽを向いてしまった。
これでは当たり前すぎて……俺のバカ。
「で、なんでそんな反応するの? もしかして昨日なにかあった?」
声のトーンを落とし、他の人には聞こえないように話す、いちをヤクザ関係ってことは学校では秘密だから
「……抗争の件無くなった」
「へぇー良かったじゃん」
「うん、本邸を兄貴が受け継いで俺は別邸を受け継ぐことになった」
「じゃぁ組替えとか盃とかいろいろしないといけないって感じか」
「んーでも親父引退してからの話」
「そうか」
「だからまた勉強とか教えてくれると助かる」
「……はぁーお前って本当にずるいわ」
「は? なんでだよ」
「分かった春樹が分かるまで教えるよ」
「……ありがとう」
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