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第9話 プロポーズ

「荷物はこれだけ?」 「んっ」 直におんぶされ理科室を後にした。 直は体操着のままだ、どうしてここに来てくれたのか問いただしたいが俺震えてる。 「大丈夫だ、別邸に連絡して迎えにくるって」 「ありがとう」 「服着れるか?」 「うん」 「本田と後1人いたな、あれは誰だ?」 「纐纈様って言ってたよ、それに俺のこと早稲田組の子って言ってた」 「……それ本当?」 「うん」 「ってことは本田先生も俺たちと同じでヤクザ関係って線はあるな」 「うん、俺本田先生のこと好きだったのに」 「……俺としては複雑だけどな、あと纐纈……どこの組だろうな」 「坊ちゃん」 「伊達(だて)さん」 「大丈夫っすか?」 「うん」 「伊達さんお疲れ様っす」 「おお直ご苦労だな」 「俺も一緒に行きたいんすけど部活抜け出してきたんで先生に断り入れてから別邸向かわせてもらいます」 「だ……ダメ、直は傍にいて」 キュン……。 「春樹、とりあえず俺このまま帰れないから、急いでいくからさ良い子にして伊達さんと帰って」 「……うん」 「おい、直おめぇ鼻血出てるぞ」 「すんません、これで多分抜けられます」 といい直と別れ伊達さんと家に帰宅した。 「お風呂入ってくる」 「お供しましょうか? よろよろっすよ」 「平気」 脱衣所で思わず膝から崩れ落ちた。 やばい……怖かった、あのまま直が助けに来なかったら俺……あの纐纈様ってやつに掘られてた可能性ある。 「はぁーまじ怖かった」 体には拘束された痕が残っていた。 とにかくぞわぞわするからお風呂入っちゃおう。 ちゃぷんと浸かると暖かさが身に染みる。 別邸には露天風呂があり紅葉シーズンとかは色づいていてとても綺麗だ。 でも今は5月だから若々しい緑色の葉っぱが多い。 「大丈夫か?」 「!? 直」 直が露天に入ってきたのだ。 「早かったな」 「まぁな、外で伊達さんたちも待機してて出てくるのが遅いから見てきてくれって頼まれた」 「あー俺の大好きな長風呂だもんな~~」 「ああ、震えは収まったか?」 「まぁ……寒いってわけじゃないからね、いたのって本当に本田先生なの?」 「ああ」 「……もう先生と会えない気がする」 「会ったらダメだ、俺が許さない」 「……ってちょ」 「俺だけにしておけ」 直が体をくっつけてきた。 「俺がお前を守るからずっと一緒にいてくれ」 「な、なんかプロポーズされてるみたいだけど」 「してるんだ、俺だけにってのは無理か?」 「いやだって俺組長の息子だし……」 「本邸の兄君だけ結婚して子ができればいいと思うぞ」 「それは直がそうしたいだけだろ」 腰を引かれキスも近いし……乳首にも触れられそうだ。 「分かった、俺は忠誠を誓う」 手を持たれ手の甲にキスをされ 「俺は春樹だけのものだ」 「ちょっと!!」 「誓え」 ドックンと高鳴る音 「分かった、俺も誓う」 真似をして風呂を後にした。

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