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この世で一番ほしいプレゼント♡番外編 運命の人9
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アンドレアが南方の宮殿にて、恋の行方を模索している一方、邸宅に残されたカールは、言いつけどおりにリリアーナのもとを訪れた。
「カール、お兄様からパーティーのことを聞いたのかしら?」
執事の私が顔を見せたことで、リリアーナ様はアンドレア様との会話を思い出したのか、扉の前で控えている私の腕を引っ張り、部屋の中に誘う。
「確か、ご友人のお屋敷でおこなわれるパーティーとお聞きしております」
「本当はね、お友達には、お兄様を連れて来てって頼まれているの」
まぶたを伏せて気落ちするご様子に、相槌を打ってみせる。
「なるほど。アンドレア様はどなたがご覧になっても、目を惹く素敵なお方ですから。お近づきになりたいのでしょうね」
(大規模なパーティー会場で、たくさんの人に囲まれていても、アンドレア様の存在を感じ取ることができる。堂々とした佇まいで立っているだけなのに、華やかなオーラをまとった姿は、嫌でも目を奪わてれしまう――)
少し前にあったパーティーのことを思い出していると、リリアーナ様はやや迷惑げな表情で口を開く。
「だけどお兄様がシスコンだってバレてしまうのが、どうしてもイヤなの!」
「シスコン……?」
意外なセリフに、思わずオウム返しをしてしまった。
「私がね、カールをエスコートに連れて行きたいって言った瞬間、お兄様ったらすごく不服そうなお顔をしたの。なんで兄の自分じゃないのかって、思ったに違いなくてよ」
「確かに、そうかもしれません。アンドレア様はリリアーナ様を、とても大事に思われておりますので」
(私の目から見ても、シスコンと思うような言動を感じませんが、兄妹だからこそ、なにか通ずるものがあるのかもしれませんね)
「人様には隠したい、こういう事情を抱えているの。パーティーは4日後ですけど、カールは私をエスコートできるかしら?」
「アンドレア様から、リリアーナ様のお話を聞くよう仰せつかっておりますので、問題ございません」
「ホント! よかった、当日お願いするわね」
不安そうな面持ちから一転、アンドレア様によく似た、華やかさのある笑みを浮かべる。
「それでは、どれくらいの規模のパーティーなのか、お教えください。それに合わせたドレスを選びましょうか。私もリリアーナ様のドレスに合わせた、それなりのタキシードを用意しなければなりませんので」
リリアーナ様と入念に話し合い、ドレス選びに時間をかけた。早々に決まってしまったら、その後は自由時間になってしまい、アンドレア様がいない寂しさに打ちひしがれるのがわかったから。
リリアーナ様とご一緒させていただくことで、雑念を追い払い、余計な妄想を考えない時間を過ごせたのだった。
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