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君がいい。君しかいらない。(15)

 神井がこんなふうに自分の感情を向き出しにして話すのは初めてのことでそれに混乱するも、ぶつけられた言葉が心に染みていく。何を考えているのか分からないことだらけだったけれど、こうして見せてくれた気持ちは、どれも正しいことばかりで、神井の下で声をあげて泣いた。  「俺は類が好きだよ。学校で会ったり、放課後遊んだりするだけじゃあ足りない。もっと一緒にいたいって思う。他はどうでもいいのに、お前のことはどうでもいいと思えない。触れたいし、自分の物にしたいってそればっかりだ。類のおかげで毎日が楽しいし、お前といる時間はとても幸せだ」    「うぁ……、ふっ、」 「すげぇ好き。類がいい。お前とじゃなきゃあダメなんだ」  女の子のように抱きしめても柔らかくもない。鈴の音のようなきれいな声も出ない。手を口元に当てて上品に笑うこともできないし、ひらひらのスカートだって似合わない。女の子にはなれないのだ。力だって強い。守ってあげたくなるようなか弱さは持ち合わせていない。  俺は男だから、そういう意味では、当たり前のように神井の隣に並ぶことはできない。  それでも、そんな俺が好きで、俺でいいと、俺がいいと、そう言ってくれるの? 「ごめん……ごめんなさい……、ごめんなさい……」 「類、」  「神井が、好き、……んっ、」  ポタリと水滴が頬に落ちてきて、もしかして神井も泣いているのだろうかと、そう思った時にはもう、唇が合わせられていた。ちゅっと何度も軽く触れるそのキスに全身が優しさに包まれる。 「類……、もっかい言って」 「……好き」 「足りない」 「好き、」 「もっと、もっと言って」 「好きだよ……。俺も、神井がいい。楽しいことも悲しいことも、二人で共有して、ずっとずっと一緒にいたい」  満足そうに微笑んだ神井に再び重ねられた唇が、幸せの意味を教えてくれたような気がした。  俺は神井が好きで、神井も俺のことが好きで、二人でずっと、この気持ちを温めることが許されたのだ。ゆっくりと手を回し、抱きしめ返す。いつまで続くのかは分からないけれど、神井となら、永遠が叶うかもしれないと思えた。 END

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