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溶け出た熱と、甘く黒い痛み。(2)

 みんなの有澤くんだ。それは十分に分かっている。  俺はその友人の中でも少しだけ多く仲良くしてもらっていて、でもそれは俺が他に友人と呼べる存在がいないから気を遣ってくれているだけかもしれないとの自覚もきちんと持っている。  それでも良かった。一方的な想いを持ち続けることになっても、それでも俺は、有澤が好きだったから。 「みんなの有澤が、誰かのものになるなら、その前に一度だけ、俺のものにしたっていいだろっ」  理不尽な理由を彼にぶつけた。  昨日女の子と一緒に歩いていたと、今朝学校で話題になっていた。とても良い雰囲気で彼女としか思えなかったと、あんな可愛い人なら応援するしかないと、みんなの有澤くんが誰かのものになったかもしれないと言うのに平気そうな顔をしてそう言っていた。  俺は、応援できない。 「佐久間……? お前何し……って、」 「有澤っ、」  応援したくない。  俺は、抱きしめてくれていた有澤をそのまま床に押し倒した。彼より少しだけ力の強い俺には容易なことだった。  抵抗している彼を無理矢理押さえつけ、スウェットを下げるとペニスに触れた。 「佐久間、何しちょっつや! やめろっ、」  怒鳴る有澤に申し訳ないとは思わなかった。これっきりで今後はもう友人としても関わらないからと、それだけの覚悟はあるのだ。  ここでやめられるわけがない。他人のペニスなんて触ったことはないから分からないけれど、自分が触って気持ちの良いところを集中して責めた。  本気で抵抗すれば、逃げることはできるのに。そうしないのは、それも彼の優しさなのだろうか。  いっそのこと気持ち悪いと叫んでくれたら、散々罵声を浴びせて軽蔑してくれたら、俺はこうして有澤を傷つけなくて済むのに。 「佐久間っ」  少しずつ反応を見せ始めた彼のペニスを、今度は口に含んだ。ねっとりと舐め、裏筋を舌で刺激すると、びくりと腰が動き、口の中で大きくなった。  根本から舐めあげた後、全体を含むように奥まで入れる。ひねりながら上下すると完全に有澤のが勃った。 「やめて、それだけは……」 「やめない」

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