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頼むから俺の話を聞いて(2)

 周りの奴らは、「またキスしてんのか? 場所を考えろよ」ってくらいで誰も特に止めないし、二人がやめない限りはそのキスシーンを見放題。  しかもキスで興奮しすぎると知野が腰の砕けた天城を抱えて教室を出て行く。一度こっそりついて行った時はトイレで堂々とセックスしてた。  そんなことをしているけれど、知野と天城は付き合っているわけじゃあないようで、知野は別な奴ともキスをしているし体の関係も持っている。  どクズだなと思うもののそれが許される整った見た目だし、何考えてるのか分からないところもいい。  天城的にはどう思っているのか分からないけれど、真田あたりが「知野だけじゃあなくて俺とも遊ぼうぜ」って手出してそれに流される設定もおいしいし、ヘラヘラして見せているけれど実は知野を独り占めしたくて悩んでいる天城もおいしいし、知野は知野で本当の気持ちは天城に向いている、とかも最高においしい。 「えへへ、知野ってば今日もかっこいい」 「惚れ直した?」 「うんうん、知野には毎日惚れ直してる」 「へぇ、可愛いこと言うじゃん。キスしてやろうか?」 「してして、……んぅ、」  一人で脳内妄想を繰り広げ鼻息を荒くしていると、目の前では当たり前のようにまたキスが始まった。「してして」って何? 天城が甘えるのすっげぇ可愛いんだけど。 「はぁっ、ち……の、唾液ほし、い」 「はいはい」 「ふぁっ、」  知野の背中にしがみつくように手を伸ばし、必死にキスに応えながら可愛く息を漏らす天城に俺の喉が鳴った。知野はいつの間にか天城のベルトを外し、ズボンの中に手を入れるとお尻を揉みしだくように触り始めた。 「や、そこ触らないで。勃っちゃう」 「なぁ天城。今日ってナカ綺麗にしてる?」 「……知野と会える日はいつも綺麗にして来てるよ?」 「いい子だな。誕生日だし今日は俺ん家寄れよ。指じゃあなくてちんこ突っ込んでやる。だから今は」 ──ちょっとだけ指で遊ぼうな?  知野の言葉に、天城の声に、二人の行為に、とにかく全てに限界を感じた俺は、教室なんだからほどほどしとけよと笑いながら、次の授業の教科書忘れたから借りてくると嘘をつき、その場を離れた。

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