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it’s rubbing off on me(4)

「今日は挿入までやっちゃおっか」 「……っ」 「俺の上に跨がって。好きなところいっぱい触ってあげる」  髪が短いから全部見えちゃうねと笑うと、君はもっと短くしたほうが良いと前髪を掴まれた。 「髪色もだし、前髪は目にかかっているし」 「なぁに、髪短いほうが好きなの?」 「顔……、時々見えないときある」 「見たいんだ?」 「別に」 「だからいつも頑なに眼鏡を外さないの?」 「……あ、生え際にほくろ」 「話逸らさないで」 「んむっ」  素直じゃない口は塞いでしまえとキスをして、それから学ランのボタンを外した。中のシャツの一つ目のボタンをわざと指で弾き、ニヤリと笑えば彼の頬は一気に染まった。どうせ見えないのだから、二つ目も三つ目も外しておけばいいのに。 「新川さぁ、どんどんエロくなっちゃうね」 「……っ」 「すっかり変わっちゃって。どこまでいくのやら」 「君は……?」 「え?」 「変わらないの?」 「……変わらないよ」 「そうか」  少しだけ寂しそうに笑ったことには気づかない振りをして、いつものように体に触れた。  自習の時間はまるまるトイレで過ごし、チャイムが鳴って何事もなかったように教室に戻った。  残りの授業は、ピンと背筋を伸ばして話を聞いている彼の背を途中まで見ていたけれど、次に視界に入ったときには授業が終わっていた。 「新川、寝ちゃってたからノート見せて」 「また?」 「見せてくれないの?」 「頼む態度ではないと思うけれど」  不満そうに差し出されたそのノートは、丁寧に板書がされていた。字の綺麗さや癖は気にしないタイプだけれど、彼の字は笑いがこぼれるくらいに俺からすれば新川らしさが滲み出ていて好きだったりする。面白くない授業であっても彼のノートを見るのは嫌いではない。

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