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貴方って人はもう(3)

 俺のこと、俺とのこと、全部考えてくれていたのは、彼のこの表情を見れば疑いようがない。普段は素っ気ない人が不意に見せるデレにはこんなにも威力があるのだと身をもって知った。 「俺をこんなにしちゃったのは基弘さんですよ」 「おまっ、押しつけるな……!」 「もう一回しましょうよ」 「……くそっ」  浴衣を離れたところに投げ、直接彼のに自分のを押しつける。それから彼の腿に指を這わせた。 「明日の予定も何も決めていなし、今回の旅行はずっと愛し合いますか?」 「馬鹿言うな……。だいたい時間を考えろよ。今だってまだ夕飯前だし外だって明るいんだぞ」 「貴方を愛するのに朝も夜も関係ありませんよ」 「……っ、何を言ってるんだ、この馬鹿が」  耳元でそう囁けば、目を見開いた彼はまた頬を赤くする。口では素直になれないのに、体はちゃんと反応してくれているようで、それに俺の口角が上がった。 「あれ? 今ので少し勃っちゃいました?」 「……お前なぁっ」 「たっぷり愛してあげますから、俺の愛……一滴残らず受け止めてくださいね」 「変態め……」 「何とでもどうぞ」 「……うあっ」  さっきまで繋がっていたそこに起きあがった自身を擦り付け、キスマークを指でなぞった。  そうして赤く咲く花の中でピンとして主張している彼の乳首を優しく摘まみ、その後で軽く押しつぶして捏ねるように触れると、気持ち良いのか彼の口から甘い声がこぼれた。 「その気になってきました?」 「……っ」 「完全に勃っちゃったから、どうにかしなきゃいけませんね」 「どうにかって、」  胸板を押してくる彼の手首を掴み、畳の上で押さえつける。それから後孔に擦り付けているだけだった自身の先の方だけを侵入させた。 「くぅっ……」 「時々小さい飴をくれるだけで良かったのに。随分と長い間我慢させられて飢えているところに大きなご褒美を落とされちゃあ興奮してしまいますよ」 「っ……、」 「さっきナカに出したばかりだし、入れやすいね。ねぇ基弘さん。奥に俺のコレが欲しいでしょう?」  ここまでしても、けして頷いてはくれない基弘さんの肌にもう一つキスマークを付け、そこを舐め上げると腰が浮いた。その瞬間を待っていたかのように一気にグッと奥まで突くと彼の体はガクガクと震えた。 「基弘さん、好きだよ。さっきみたいに素直になってよ。俺をちゃんと受け入れて。貴方と気持ちよくなりたい」 「だったら、」 「ん?」 「とびきり優しくしろよ……。そうでなきゃあ、明日まで体力持たねぇって」 「……えっ。えっ?」 「だからもう、えって言うのナシ。うるせぇ」 「ええーっ」 「うるせぇつってんだろ」  馬鹿なことを言うならヤらねぇぞと眉間にしわを寄せた彼に、それじゃあ馬鹿言わないように貴方が口を塞いでと冗談を言えば、不機嫌さを滲ませたままで彼は、俺の口を塞ぐという甘い飴をまたくれた。 「だからそういうことしちゃあダメでしょう? 優しくできないよ?」 「お前がやれって言ったんだろ?」 「あぁもう無理ですよ。ガンガンに犯したい……」 「じゃあ明日はナシな」 「……そんなぁ」 END

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