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10/31 キキョウ(紫)

花言葉 永遠の愛 変わらぬ愛 ザザザザと不鮮明な音を吐き出すラジオカセットから聞こえるのは結婚式で流れるような讃美歌 それをBGMにして外国人の真似をした幼い声のカタコトな日本語が聞こえてくる "やめる時も すこやかなる時も とめる時も まずしき時も あいてを愛し うやまい いつくしむ?事を誓いますか?" "ちかいます!"「誓います」 ラジオの中の幼い声と自分の声が重なる そして、もう一度同じ誓いの言葉がラジオから紡がれる "…ちかいます"「………」 ラジオから聞こえる声だけで、腕の中の相手からの返事はない。否、返事などできないのだ。 なぜなら今僕の腕の中にいる最愛の伴侶はすでに息絶えているのだから 別にそんな些細なことはどうだっていい 死んでいようが生きていようが、今この場で返事があろうがなかろうが過去に永遠を誓い合ったという事実は確実にあるのだから 「これで、いつまでも一緒だ」 死が2人を分かつまで?そんなことあってはならない。死でさえも2人を引き裂くことなんて僕は許さない。何度だって繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して、それが永遠になるまで僕は君と結ばれるんだ。それが、運命なのだから。 「さぁ、新しい旅立ちだよ。一緒に行こう?そして次もきっと君を見つけるから、待っててね」 愛しているよと、冷たい唇に誓いのキスをする。 次は眠っていない君とこうなれることを切に願うよ。 期待を胸に僕は君を強く抱きしめ広い空へ踏み出した

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