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11/1 スプレーマム

花言葉 気持ちの探り合い 高潔 あなたを愛します など 「おはよ!」 「はよぉ……くぁ…」 「ははっ今日も眠そうだね」 「んー…」 まだ人気も少ない朝の時間。 いつものバスに乗りこみ他の空いている席には目もくれずいつもの席に座る。隣には眠そうに目を擦る友人。また夜更かしでもしたのだろう。最近とあるゲームにハマったらしく夜通しプレイすることもザラにあるとか言っていた。体調さえ崩さなければなんでもいいんだけど、目の下のクマをみると心配せざるを得ない。 「少し寝てなよ。こっちよっかかっていいからさ」 そう言ってカクカクと上下している頭を自分の肩に寄せると素直に体重をこちらに預けて寝息を立て始めた。自分よりも少し暖かい体温に幸福を感じる。友達の特権だなぁ、なんてニヤけそうな頬を手で押さえる。それに、多分もう少ししたらもっと表情が崩壊することが起こる。それが最近の俺の悩みの種でもあるんだけれど… 「んん………すき…だ…」 「はぁ…また変な寝言を…」 なんの夢を見ているのかは知らないが、こうやって寝ている時にぼそっと爆弾を容赦なく投下してくるのだ。俺のことがとは一度も言われていないんだけれども、意識している相手の口から好きだなんて言葉が聞こえたら、そんなの心臓も表情もまともに保ってられるわけがない。 「人の気も知らないで…」 「んぅ…」 ちょっとした仕返しのつもりで手のひらをくすぐってみた。少し嫌そうな声をだしたが起きる気配はない。綺麗な指してるな。なんて思いながら起きないのをいいことに触っていたら急にぎゅっと指を絡め取られて握られる。 「…えっち」 「っ?!」 耳元で囁き声がしてびくつく。 「ごっごごごめっ起こしちゃった?!」 「なんか、エロい触り方してくるから起きた」 「そっそんな!つもりじゃ…なかったんだけど」 「なんだ、残念。俺はそんなつもりでいつもいたんだけどなぁ」 「ぅえ?!」 「ずっと前から好きって言ってるのに全然返事してくれないし?」 「ええ?!?!」 まさか、ずっと前から寝たふりしてたってこと?!じゃあ、寝言だと思っていたのもわざと?っ…わかりにくいわ!! 「今、回りくどいって思ったろ」 「あう……はい」 あーあ、思ってることバレてら 「まぁそう思うわな。いやぁ好かれてる自信はあったんだけど、確信はなかったから、探り入れてたんだ」 「探り…」 「そう、こう見えて臆病者だからさ、俺。確実に堕とせるって判断してからアタックしてやろうと思ってたんだけど…あんな風にエッチなアピールされちゃったし?もう待たなくてもいいよな?」 「あ、えと、その…」 しどろもどろになって目を泳がせてしまう俺の両頬をやさしく包み込んでじっと見つめられる 「好きだ。」 「…うぅ。」 「返事は?」 「おれ、も…すき、です」 「やった。これで友人から恋人にジョブチェンジだな」 ニカッと幸せそうに笑う友人から恋人になった相手に見惚れる 「…ジョブって……なんだよ、そのゲームみたいな言い回し」 「なら、グレードアップとか?」 「ふっ、ははっあんまり変わんないじゃん」 「なんだっていいだろ。とりあえず…これでエロいことしてもなんの問題もないな。」 そういって恍惚とした表情をしている恋人に親指で下唇をなぞられた 「っっ??!!お前の方が絶対エッチだ!!!」

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