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11/17 スターチス
花言葉 変わらない心 永遠に変わらない
人間と我々の時間の流れは違う
昔のことだと忘れられてしまうような記憶であっても我々にとっては少し前の出来事のように思い出せるほどだ
先日、思念体ではあるが許婚との久方ぶりの再会を果たした。まぁ姿を見せていなかっただけでずっとそばにはいたが。面と向かって話ができたのはあの日以来だ。交わした契りのことは忘れていたようだが、心のどこかには残っていたのだろう。これまで貞操を守っていたようだしな。さて、そろそろと腰を上げる
『さぁ、我が伴侶を迎えに行こうではないか』
今度は本物の俺自身の手で契りを果たしに行く
彼の思い出していた記憶は少し抜け落ちているところがある
伴侶となり永久に俺の隣にいること
つまりそれは人の世のことわりを捨てるということ。人間として時を刻むことをやめ我々と同じ永遠の時間を共に過ごす。
成人になるまで待ったのは、すぐに隠してしまっては彼が人間としての楽しみを知ることができないと思ったからだ。しかし、俺とてそう長くは待てない。だから、成人という区切りを設けた。
そして、ついこの前その期日を迎えた。
『愛しい伴侶。待っていてくれ。』
現世と幽世の狭間を渡り、星の煌めく夜空を駆ける
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