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11/27 ハボタン

花言葉 祝福 慈愛 愛を包む 利益 教会の鐘が鳴り大きな扉が開かれる 階段を降りる新郎新婦に参列者からの祝福の花びらが降り注ぐ みんなから祝われ幸せそうに笑う2人はとても綺麗だ 参列者と短い言葉を交わしながら進んでいく新郎がついに自分の目の前にきた 本当ならここにくるつもりは無かった。 〝おめでとう、幸せになれよ〟なんて絶対に言ってやれないと思ったから 好きなやつが自分以外の人と一緒になるのを祝えるほど心の広い人間じゃないし、とここにくるまでは思っていた でも、こんなに幸せそうにしているのを見たら認めざるを得ない 自分ではこんなふうにはしてやれなかったということを。 「おめでとう」 「おう。来てくれてありがとな!あ、この後のスピーチ頼むな!」 にかっと笑う君に胸がぎゅっと掴まれる 「ああ、幼馴染としてあれやこれや全部話してやるよ」 「ちょっ待て待て待て余計な話はしなくていたからな?!」 「はっどうしようかなぁ……つーか、お嫁さん、お前には勿体無いくらい綺麗だな」 「へへっ。だろだろ?いつもだけど今日は一段と綺麗なんだよなぁ」 「………」 でれでれとニヤついている新郎の肩を一発殴る 「いてっ!なにすんだよー」 「なんかイラッとした」 「なんだなんだ?先に幸せになる幼馴染に嫉妬かなぁ??」 「………そうだな。嫉妬、かもな」 「へ?」 「なんでもない、てか、ちゃんとお嫁さんエスコートしなきゃだろ、新郎さん?」 「言われなくてもそのつもりだってーの!じゃっまた後でな!」 「おー。はよいけはよいけ。ほれ、花も投げてやるからさ」 握りしめた花びらを目の前の男に向かって放り投げる。自分の気持ちも全部この花びらに込めて投げてしまえたら 「おまっそんな適当に投げるなよっ」 「うるせー。愛でいっぱいだっつーの」 「おまけの口から愛とか…なんか、寒気するな」 「……よし決めた。お前のこれまでの恥ずかしいエピソード全部話してやる。スピーチ、楽しみにしてろよ?」 「ひっ…やめてくれぇ…」

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