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11/28 オンシジウム

花言葉 可憐 一緒に踊って 最初は小さくて可愛らしい子だと思った しかし、ステージに上がり音楽に合わせ踊り始めると可憐な雰囲気から一変し色気のある舞踊を披露する 皆がごくりと生唾を飲む 俺もそのうちの1人だった まさか、同じ男にこんなに魅了されるなんて… パフォーマンスが終わるまで瞬きを忘れるほどに釘付けにされていた 「……かっけぇ」 音が止み、彼は観衆に手を振りステージを降りていく 気がつけば彼を追っていた。追いかけてなにかしたいというわけでもないのに 「あっあの!!」 「ん〜?……きみは、えっと、だーれー?」 声をかけると先ほどまでと同じ人物だとは思えないほど、間延びした返事が返ってきた これはこれで色っぽいというか、なんというか 「あ、えっと……」 「………あ〜!君さっき最前列にいたよねー」 「え?!」 「ふふ〜まじまじとあんなに熱い視線で見つめられてたら流石に気になるよ〜」 「っ?!」 そんなに見てただろうか?!いや、見てたかもしれないけど、俺だけじゃないはず!だし!もしかして、キモいやつだとかおもわれてた?! 「あっはは〜百面相おもしろ〜い。ま、ぼくも君のこと見てたんだけどね〜」 「ええ?!どっどどどどういうことですか?!」 狼狽える俺を見て彼は笑いながらこちらに寄ってきて上目遣いで覗き込んでくる 「君、いけるくちでしょ?」 「イっ?!イけ?!?!」 イけるかイけないかでいったら…多分イエスだ だけど、そんなこと普通バレるか?!?! 「そ、踊れるでしょ?」 あ、なんだそっちか… 「えっと、はい。昔少しだけ親の趣味に付き合わされて…でも、そんなに上手いわけではないっていうか」 「やっぱり〜?いいじゃんいいじゃん。ね〜僕と一緒に踊らない?」 ニヤリと笑いかけられてその表情にドクリと心臓が跳ねる 「んえ?!?!?!」 「リードするからさ〜。ほら、お手をどうぞ?」 「え!?ええ?!?!」 まさか、さっきまで観衆の視線を独り占めしていた男にリードされて踊ることになるとは… 「お〜いいね〜。上手だよ〜?」 「そ、そうですか?」 「うん。それに……」 「それに?」 「その顔もタイプだ」 ぐっと腕を引かれて彼の方に倒れ込みそうになる こちらの方が体格はいいはずなのにさすが鍛えているのかすんなりと受け止められてしまった 「わっ?」 「うん、やっぱりだ。かわいいね〜」 ちゅっ 「?!?!?!?」 今なにされた?!?!?!キス?!?! 「ははっ。この後暇?よかったら2人だけでもっと踊ろ?」 「………は、はい…」 「やった〜。じゃ行こっか」 「えっどこに?」 「ん〜?2人きりになれる場所、かな」 この後お高そうなホテルに連れて行かれてベッドの上で朝日が昇るまで彼の下で踊らされた

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