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12/2 ヘリコニア
花言葉 風変わりな人 注目
オレには少し変わった推しがいる
同期で入社して今は部署が違うから会えるのは出勤の時間くらいだ。しかし、推しの供給過多はオタクにとっては致命傷になる事もあるからこれくらいでいい。
きっかけは研修の時、たまたま同じ組分けになったんだけど、その時に色々とあって彼がとあるアイドルグループにハマっていて、その中に推しがいる事をしった
それ以降、そのアイドルグループについて調べ尽くして彼と語り合えるくらいの知識をつけた
まぁ語るって言ってもネット上で正体を隠して、だけど。
出勤の準備をして玄関でスマホの通知を待つ
ピコン!
「きた!!」
スマホを操作して即座にリプライを送る
「よし。今日も一番!」
これが来たということはそろそろ時間かな
玄関からでて辺りを見渡すとスマホを触りながら歩いている人物を見つける
今日も今日とて何かぶつぶつ呟いている
声をかけるために不自然にならない程度に急ぎ足で追いかける
「………頑張るぞい!」
またなんか変なポーズで変なこと言ってる
喉まで出かかったかわいい、という言葉を飲み込んで彼に追いつき肩を叩く
「うわぁ。オタクくんさぁ、ここ自宅じゃないんだからそういうのやめたほうがいいよ?」
ギョッとして振り向いた彼は明らかに怪訝な顔をした
「……いつからいた」
あああー!推しが!話してる!しかも俺に!!今日も尊い!!!
「えー?オタクくんがスマホ見ながらいやらしい笑いを浮かべてるところあたりから?」
「ちっ」
舌打ちまで?!ありがとうございますー!!!
「うわ、舌打ち?オタクくん生意気ー」
「寄るな、陽の気がうつる」
「なにそれ、陽の気だったら移った方がよくなーい?ほれほれ、もっとくっついてオタクくんも陽気にしてあげるーっ!!」
調子に乗ってごめんなさい!!でも!今!俺に推しの香りが移ってる!!やばい。めっちゃいい匂いする!!
「おまっ!!よくない!!!!から近寄るなぁ!!!」
ドンっと体を押して彼が会社に入っていく
「へへへへへ。推しの感触が……」
触れたところはしばらく洗わないでおこう
「よし!!今日も頑張れそう!!!」
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